「良い曲ですね…」

 拓人は知らない人に声をかけられる。

 新たなるターゲットは女性だった。

 拓人は山で出会った男性に聞いたように知らない女性に【パンドラの囁き】を教える。

 その女性と別れて、二人目の男性にも同じように教える。

 そして、三人目に教えようとした時…

「確認しましたよ」

 一人の青年が拓人に声をかける。

 青年の名前は松村 俊征(まつむら としゆき)、榮一郎の従兄弟で彼には強力な言霊の力を持った退魔師の見習いだった。

 彼には、見えにくい物を見つける力もあった。

 拓人の面会に行った榮一郎から聞かされていた俊征は直感に従って、拓人をつけていた。

 そして、拓人が一人目の女性に【パンドラの囁き】を教えているのを目撃していた。

 言霊の力により、女性を呪いから解放して、二人目の男性を仲間にたくし、三人目のターゲットと話している拓人を止めに来たのだ。

「ギ…ガガ…」

 奇っ怪な声をあげ、逃げる拓人。

「待って…」

 不意をつかれ逃げられる俊征。

 趣味の山歩きをしている拓人は運動神経にも自信があった。

 まんまと俊征を振り切った…と思ったら…