最初は楽しかった。
だって、ずっと大好きだった犬が飼えたのだから…。
だが、彼女はその後も別の犬を飼いたいと言い出し、買ってきた。
その後もどんどん増えるので、さすがに心配になった浩二は大丈夫かと聞いた。
実はペット禁止のマンションで大家さんに内緒で飼っていたのだ。
あんまりキャンキャンほえられるとすぐに大家さんにばれてしまうから…。
その時、優花は一人で大家さんと話をしてくると言って出て行って、話はついたと言って帰ってきた。
大家さんも優花に負けないくらいの犬嫌いだったはずなのに…
そして、その後も子犬は増え続け、ついに10匹に達してしまったという訳だ。
資金面から見ても、どう考えても10匹を育てる余裕は浩二と優花には無かったはずだったのだが、どうやら、彼女が参加したセミナーの主催者から何故か補助金が出て餌代等がかなり安くなるとの事だった。
どうも腑に落ちないと思ってはいるのだが、いたずらに彼女を疑って、気まずくなりたくない浩二は黙っていた。
元々、犬好きの浩二にとっては嫌いな状況ではなかったからだ。