実はこの手の顔の女性を好きになるのは三度目だった。
一度目は小学校の時に好きになった深山 鈴加(みやま すずか)。
二度目が杉山 里桜、三度目がこの近松 静那だった。
世の中には同じ顔の人間が三人はいると言われているが、暁が好きになったのはみんな同じ顔の女性だった。
鈴加は小学校の時にだったが、成長したら、多分、里桜や静那と同じ顔になったのだろう…。

静那は音楽鑑賞が趣味で、【ド】の音がたまらなく好きだと言う。
鈴加はよくじゃんけんで【パー】ばかり出していたな…
里桜は【ん】の発音がおかしかったな…
出会った順番に印象に残った言葉をつなげれば【パンド】となる…。
将来、もう一人好きになる女性が現れてその人の印象に残る言葉がもし、【ラ】なら、つなげると【パンドラ】になるな…
なんてことを考えていたら、静那は写真を見せてくれた。
写っていたのは静那と彼女によく似た外国人だった。
「どう?よく似ているでしょ。彼女はミシェルさんって言ってね仲良くなったんだ。彼女にLaとRaの発音の違いを教えてもらったんだよね」
【ラ】だった。
ミシェルの印象は【ラ】になった。
思いがけなく、簡単に【パンドラ】が揃ってしまった。
その瞬間、頭の中に…
(…後は見つけるだけ…)
という声が響いた。