次のパンドラの呪いを探しに行こう…
勇治はそう思った。
そう、思った彼の前に、彼には行けないはずのケーキ屋が突然、現れた。
店内に店員は一切いない…
もぬけの殻だった。
このパンドラの呪いは力を失いやがて消えて行くんだ…
勇治はそう考えた。
その時、誰もいないはずの店内から声が聞こえた…

「…小野寺 勇治君…君は勝ってはいないよ、これは引き分けだよ…」
「誰だ?隠れていないで出てきたらどうだ?」
勇治は店内を見渡す。
が、誰も見あたらない。
だが…
「…ここだよ、さっきから目の前にいるじゃないか…」
という声が聞こえた。
その声のする方を見ると、一体のビスクドールが置いてあった。
3体目のビスクドールだった。
そのビスクドールの口が開き、しゃべり始める。
「勇治君が担当したパンドラは消えたよ。そこは負けだ。素直に認めるよ。でも、この店のパティシエやパティシエール達は他の場所で呪いを振りまきその一つが成就した。その結果で、私が現れた…解るよね?私の出現は呪いの成就だって…」
ビスクドールは薄気味悪い笑みを浮かべた。
その表情が妙に人間ぽくて、気持ちが悪かった。
ケーキショップパンドラ…、このタイプの呪いはスイーツを通して、呪いを振りまくタイプの呪いだった。
売り上げたケーキの数だけ、呪いが振りまかれていたのだ。
「…なんて事だ…」
勇治は歯噛みする。
それをあざ笑うかの様に、謎の女が現れビスクドールを抱えて消えた。
最後に…
「…ついにしゃべれるようになったよ。次は歩きたいな…」
という言葉を残して…。