12人目のターゲットは奥村 一馬(おくむら かずま)、13人目は七瀬 豊彦(ななせ とよひこ)、どちらも、都内の学校に通う学生だった。

 11人目の靖と同様に、通学中、気になるが名前の知らない女の子が気になっている奥手な少年達だった。

「ちょっと…聞いているの?」
「………」

 黛 玲於奈(まゆずみ れおな)の話を一馬は無視した。

 玲於奈は俊征の彼女で、以前、パンドラの呪いに巻き込まれた事があった。

 玲於奈の親友、大森 香月(おおもり かづき)は豊彦についている。

 俊征、玲於奈、香月は協力して、パンドラの呪いの被害にあっていそうな少年を助けるために奔走していた。

 パンドラの呪いが許せないと思って集まった退魔師の仲間である。

 だが、一馬も豊彦も靖と同様、玲於奈や香月の言うことを聞きはしなかった。

 靖の時は、一人ずつ助けようと思って、三人で靖の乗る電車を探したりしたが、逆効果で、彼はますます、殻に閉じこもってしまった。

 そして、靖にかまっていたため、一馬と豊彦の呪いも進行してしまった。

 事態は悪い方にと進んでいた。

 三人だと、手が足りない…

 だけど、他の仲間は他のパンドラの呪いにかかりきりで、手は借りられない…。

 悔しいがパンドラの呪いの勢いは増すばかりだった。

 何とかしたいが、味方が足りない…。

 何とかしたいが、良い方法が思いつかない…。

 そんな焦燥感さえある…。