その日、学校から帰ると、俊征が家まで来ていた。
探偵まがいの事をして…
家まで調べるなんて…
俊征は殺意を覚える。
靖には俊征が悪魔のように思えた。
「永友君、聞いてくれ、このままでは君は死ぬ」
俊征は心配そうに言う。
「うるさい!どっか行け!」
靖は邪険にする。
「聞いてくれ。自分達はずっと君にだけつく訳にはいかない…。だから、女の子の名前を聞かないで欲しい…。名前を聞いた時、君は死ぬ。だから…」
世迷い言を…。
俊征を追い払おうとした時、ちょうど家に帰って来た母親が彼を代わりに追い払ってくれた。
「何なの?あの人?」
当然と言えば当然の反応だった。
誰でも、自分の息子が死ぬとか話している男を怪しいと思うのは…。
俊征は警察を呼ばれそうになったため、退散した。
去り際に、
「決して名前を聞いてはいけないよ。時が来るまで待つんだ!そうすれば、君は助かる…」
という言葉を残して…
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んでしまえ!
靖は心の中でそう吐き捨てた。

翌日、気持ちを切り替えて、ポニーテールの女の子に名前を聞く。
彼女は、ニタァ…と笑い、こう答える。
「私の名前はパンドラ…あなたを殺しに来ました…」
「え?…今なんて…?」
靖の人生はそこで終わった。
明日への希望も、昨日の後悔も何もない世界へと旅だってしまった…
残念ながら俊征の救いの手は彼には届かなかった。
永友 靖は11人目の行方不明者となった…。
また、一つ、パンドラの呪いが成就に近づこうとしていた…。
俊征の言霊もパンドラには届かなかった…。