「悪かったよ…。自分が悪かった。君が受けている呪いへの対処法を間違えていた。実は…」

 俊征は謝る。

 そして、弁解を始める…。

 だが、彼の言葉は靖の耳には入らない…。

 靖は俊征を突き飛ばし、別の車両に乗り込んだ。

 すると…

 良かった、彼女も乗っていた。

 ホッとする靖。

 俊征は突き飛ばされたため、電車には乗れなかった。

 邪魔者は居ない…。

 安心する靖に信じられない事が起こった。

「…やな人よね、あの人…」

 ポニーテールの女の子が、靖に近づいて来て話しかけてくれたのだ。

 彼女は俊征の事を嫌な人と言っていた。

「そ、そうだね、やな奴だね…」

 会話はそれだけだった。

 その後は、お互い、彼女が下車するまで、終始無言だった。

 だが、靖にとっては天にも昇る気持ちだった。

 彼女から話しかけてくれた…。

 それだけで飛び上がるくらい嬉しかった。