「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」
京平はたまらず、その場から逃げ出していた。
一心不乱に…
脇目もふらずに逃げていた。
そして、信号を無視してそのまま、乗用車にひかれていた。
幸い、走り出したばかりだったので、大事には至らなかったが入院を余儀なくされた。
「ここは…?」
京平が気付いた時は病室だった。
榮一郎達が見舞いに来ていた。
「…何があったか話してくれないか?」
「な、何もねぇ何も知らねぇよ、俺は関係ねぇ…」
京平はすっかり怯えてしまっていた。
以前の憎たらしいまでの不貞不貞しい態度は息を潜めてしまっていた。
まるで、別人のようだった。
「すみません、患者さんが怯えていますので…」
「…すみません…」
看護師が榮一郎の発言を控えるように言った。
京平の顔はそれほどまでに顔面蒼白だったのだ。
京平は自分が捕まるのも時間の問題だと思っていた。
自宅に遺体を残して来てしまったのだから…。
自分の人生を諦めてしまっていた。
ところが、何日経っても刑事が来るような事は無かった。
とっくにばれてもおかしくないのに…。