「ちっ、面白くねぇ…」

 京平は悪態をついた。

 京平に関わった女性ばかり死ぬため、京平と瑛子が警察に疑われていて、今日も何度目かの事情聴取を受けて来たばかりだった。

 瑛子には完璧なアリバイがあり、彼女はすぐに解放されるが、普段から素行の悪い京平は警察から目の敵にされていた。

ドガッ!

「うっ…」
「何で、てめぇはすぐに帰れるんだよ!」

 京平は警察での取り調べの鬱憤を瑛子を殴ることではらそうとした。

 瑛子は抵抗しなかった。

 しばらく殴った後、ある程度すっきりした京平はそのままぐっすりと寝た。

 顔中を腫らしながらも薄ら笑いを浮かべる瑛子の姿は不気味だった。

「…朝か…」

 朝、…というより昼過ぎに目を醒ます京平。

 自堕落な生活をしている京平は睡眠もデタラメにとっていた。

「…おはよう…寝顔がステキだったわ…」

 瑛子は顔を腫らしたまま京平をただ、見ていた。

「不細工な顔を見せんじゃねぇよ…」

 自分で殴っておきながら瑛子の腫れ上がった顔が気に入らない京平。

 だが、昨日、殴った箇所と微妙に違う場所が腫れているような…

 そんな気がした。

 興奮していたので、思い違い…そう思って大して気にしなかった。