話は少し遡る。

 京平はお世辞にも素行の良い男では無かった。

 殺人以外は何でもやったし、女癖も悪かった。

 友達の女は平気で寝取るし、飽きたら簡単に捨てていた。

 だから、人望は最悪。

 だが、喧嘩はめっぽう強く、綺麗な顔をしていた。

 そのため誰も表だって文句は言えなかった…

 そんな京平が瑛子に目をつけた。

 彼女は今にも死にそうな顔の根の暗そうな男の彼女だった。

 京平はいつものように男を脅して、無理矢理引き離そうとした。

 だが、その男はまるで、憑きものが落ちたかのような晴れやかな顔で

「ありがとう…これで楽になれる…」

 といって、簡単に身を引いた。

 京平はその男が我が身かわいさに女を売ったと勘違いした。

 その後、その男は自殺したと聞いたが元々、冷徹な正確の京平は気にもとめなかった。

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 京平は瑛子の身体をむしゃぶり尽くした。

 彼女の肉体はまるで、砂漠の中のオアシスのように京平の欲望を刺激した。

(この女はしばらく飽きねぇ…当分囲っておくか…)

 そう考えた京平は彼女と恋人関係になった。

 その時、彼女は薄笑いを浮かべていたが、京平は気付かなかった。

 そして、抱けば抱くほど、京平は瑛子の身体に夢中になった。

 まるで、数人の女を抱いているかのように抱く日によって抱き心地やにおい等が微妙に変化した。

 だが、半年もすると飽きっぽい京平はしだいに他の女に目がいきだした。

 むしろ、半年もよく飽きずにもったという方が正しい。

 たいてい一月前後で飽きて捨てる男だったからだ。

 京平はまだ、瑛子と別れるのは惜しいと思っている。

 だが、他の女ともやりたい…。

 こんな時京平は大抵、二股、三股をかける。

 後でドロドロの修羅場になろうが関係なかった。

 面倒臭くなったら、全員と別れる。

 女性を性欲のはけ口としか考えていない京平にはそれが当たり前だった。

 瑛子にばれるのもおかまいなく平然と浮気をする京平…。

 瑛子はそれを知っていてもにっこりとして笑顔を崩さなかった。

 他の女性とは違う…。

 今までの女性なら、ここで修羅場になるか、泣かれるかしたのだが、何も聞いてこない。「悪いが、俺はあの女も気に入ったんで」

 全く悪びれず、浮気を宣言する。

「そう…」
「何か、文句でもあるのか?」
「無いわ…」

 瑛子はただ、そう答えた。