「朝だよ、お・き・て!朝だよ~起きなさぁ~い!」
有名女優の声の目覚まし時計で浩紀は起きる。
朝はまだ、早い。夜も明けきっていない。
だが、浩紀は新聞配達のバイトに行かなければならなかった。
フッと昨日、石棺を捨てた物置が気になり物置を見に行った。
「うっ…」
浩紀は思わずうなってしまった。
石棺が人がすっぽり入れるくらいまでに大きくなっていた。
物置は半壊していた。
どう見ても石棺が這い出し、物置を内側から破壊したようにしか見えなかった。
薄気味悪い石棺…。
中をそっと覗いてみる。
「!ちょっと…!」
中には女性が入っていた。
裸だ。
石棺を完全にあけてさわってみると死んだように冷たい。
慌てて石棺のふたを閉めようと思ったが誤って割れてしまった。
これでは、しっかり閉まらない。
あわてて、近くにおいてあったビニールシートでくるんで、女性の遺体と思われるものを二階の自分の部屋に運ぶ。
「落ち着け…落ち着くんだ…とにかく帰って来てからだ。帰って来てから考えよう」
半分、錯乱していた浩紀はとりあえず新聞配達のバイトに出かけた。
一心不乱に働いた。
そして、大学の講義に出て、そのまま帰る気持ちになれず、夜までぶらぶらしてからアパートに戻った。
慌てて戻った。
遺体を部屋に放置したままだったからだ。
このまま誰かに見つかったら自分は犯罪者になってしまう…
そう、思ったからだ…。