Nai05

「…ひとまず、これで一安心という所ですかね…」

 気付くと、病室だった。

 精神科の先生らしい人が自分を見てくれているらしい。

「あの…先生…」
「何かな?山口 友加里さん」
「え?」

 気付いたら自分は野崎 尚緒ではなく山口 友加里になっていた。

 いや、違う、元々、山口 友加里だったのだ。

 何故か、自分は友達の尚緒だと思いこんでいた。

 思いこまされていた。

 友加里はある日、変質者に襲われた。

 催眠術を使う変質者に…。

 それは、非情に強力で、様々な悪夢が友加里を襲った。

 ついに精神に異常を来し、精神科に運ばれたのだ。

 やがて、変質者は捕まり、独学で覚えた催眠術で女性に悪戯をしていたと自供した。

 独学だったので、完成度が低く、成功もすればかからずに逃げられたのも多かったらしい。

 だが、友加里には必要以上に効果があり、怖くなった変質者は逃げたらしい。

「ゆっかりん!お見舞いに来たよ~もう大丈夫?」

 親友の尚緒が見舞いに来た。

「なっちゃん!うん、もう大丈夫。ごめんね、心配かけて…」
「聞いたよ~変質者に変な暗示かけられてたんだって?」
「うん。でも、催眠療法っていうので、先生が治してくれてるから大丈夫よ。…すぐにとはいかないけどね…」

 友加里に安息の日が訪れた…。

「…あなたが捕まった時は独学で学んだと言いなさい…」
「…はい、先生…」
「…あなたが目を醒ましたしたら、さっきまでの事は忘れてしまいます…はい!起きて」
「…袴田(はかまだ)先生、私、良くなりますよね?」
「えぇ、山口さん…あなたはもう悪夢に悩まされることはありません。あなたはね…」

 精神科の袴田医師は次の傀儡…山口 友加里に暗示をかけた。

 次の変質者にしたてあげるために…。 
 

 完