立夏と藍那が内緒話で尚緒の悪口を言うという夢だった。
内緒話が尚緒にははっきり聞こえた。
「藍那も?ったく、しつこいのよね尚緒の奴」
「そうそう、うざいよね、尚緒ってさ」
「あんたが眠れないのなんて知らないってーの、勝手に起きていろって」
「尚緒のぐだらない話を聞かされて私、ドラマの良いシーン見逃しちゃったのよ。上履き隠しちゃおうか」
「良いね、それ」
聞きたくない言葉が頭に響く…
朝の目覚めは最悪だった。
今までにないくらい窶れた顔をしている。
それでも、朝、登校して行くと藍那と立夏が内緒話をしているような気がした。
何となくこちらを見て笑っている気がする。
それも嫌な笑い方だ。
藍那と立夏はそのまま、尚緒が下駄箱の所に行く前に教室に行ってしまった。
下駄箱を見ると上履きが無い。
昨夜の夢がフラッシュバックする…
「上履きかくしちゃおうか」
そんなまさか?
でも、夢では、確かに…
結局、探しても上履きは見つからず、仕方なくスリッパで教室に向かった。
教室に着くと立夏が話しかけて来た。
「おはよーなっちゃん、あれ?上履きどうしたの?」
「えっ?あ、う、うん…ちょっと…」
尚緒は立夏が隠したのでは?という気持ちを押し殺した。
偶然。
そう、偶然が重なっただけ…。
そう思うことにした。
そして、上履きはゴミ箱の中から発見された。
「誰よ、こんな真似したのは?」
藍那が怒る。
だけど、尚緒は…
(あなたとりっちゃんじゃないの?)
という気持ちを隠していた。
