Nai03

 その日の夢から、悪夢の内容が変わった。

 立夏と藍那が内緒話で尚緒の悪口を言うという夢だった。

 内緒話が尚緒にははっきり聞こえた。

「藍那も?ったく、しつこいのよね尚緒の奴」
「そうそう、うざいよね、尚緒ってさ」
「あんたが眠れないのなんて知らないってーの、勝手に起きていろって」
「尚緒のぐだらない話を聞かされて私、ドラマの良いシーン見逃しちゃったのよ。上履き隠しちゃおうか」
「良いね、それ」

 聞きたくない言葉が頭に響く…

 朝の目覚めは最悪だった。

 今までにないくらい窶れた顔をしている。

 それでも、朝、登校して行くと藍那と立夏が内緒話をしているような気がした。
 何となくこちらを見て笑っている気がする。
 それも嫌な笑い方だ。

 藍那と立夏はそのまま、尚緒が下駄箱の所に行く前に教室に行ってしまった。
 下駄箱を見ると上履きが無い。

 昨夜の夢がフラッシュバックする…

「上履きかくしちゃおうか」

 そんなまさか?
 でも、夢では、確かに…

 結局、探しても上履きは見つからず、仕方なくスリッパで教室に向かった。

 教室に着くと立夏が話しかけて来た。

「おはよーなっちゃん、あれ?上履きどうしたの?」
「えっ?あ、う、うん…ちょっと…」

 尚緒は立夏が隠したのでは?という気持ちを押し殺した。

 偶然。

 そう、偶然が重なっただけ…。
 そう思うことにした。

 そして、上履きはゴミ箱の中から発見された。

「誰よ、こんな真似したのは?」

 藍那が怒る。
 だけど、尚緒は…

(あなたとりっちゃんじゃないの?)

 という気持ちを隠していた。