「なっちゃん、大丈夫?疲れた顔しているわよ…」
「…ありがと、るーちゃん。大丈夫、多分ね…」
友達のるーちゃん…一橋 琉生(いちはし るい)が心配して声をかけてくれた。
「犯人みっけたらみんなでボコろう!」
友達のちーちゃん…飯塚 千景(いいづか ちかげ)が犯人に対して怒りをあらわにする。
「そうだね、けつの穴に針千本入れちゃおう」
友達のりっちゃん…園田 立夏(そのだ りっか)もそれに同意する。
「りっちゃん、げひーん」
友達のあっちゃん…三田村 藍那(みたむら あいな)がちゃかす。
琉生、千景、立夏、藍那は尚緒と亡くなった友加里と同じ仲良しグループだった。
変質者がいるかもしれないから、一人での下校は避けることと言われていた。
「そう言えば、ゆかりんって亡くなる前、ちょっと変だったよね~」
琉生が尚緒に話かける。琉生と尚緒は家が近いため、同じグループで下校していた。
「そう言えばそうね…何か、情緒不安定って言うか…時々、おかしな事言ってたりしてたね」
「ヤク決めてたとか?」
「まさか、そんな子じゃないって」
「わかんないよ?何処で出回っているかわかんないって言うし、クラスメイトの誰かはやっているかもよ?」
「そうかな?」
「そうよ、絶対4、5人はやっているって」
「ウソーっ?」
「ウソじゃないって」
「そーお?…あっ!」
会話の途中で尚緒は視線を感じ目を向けると…
いた!
ひょろっとして背の高いあの男が…
じっとこっちを見ている。
尚緒は琉生を置いて警察に駆け込んだ。
「お巡りさん、助けて下さい。怪しい男がいるんです」
本能が警告する。
あの男は危険だと…。
だが…
「で?君の言う怪しい人は何処にいるんだね?」
「あそこです。ほら、こっち見ています」
「?何処だね?あの人かい?初老の…」
「違います。ほら、その左に…」
「だから、何処だね?お巡りさんには見えないんだが?」
「見えないんですか?」
「見えないから聞いているんだよ。そもそも、その男は君に何をしたんだね?痴漢かい?」
「違います、じっとこっちを見ているんです」
「ははっ、君ねぇ…見ているだけじゃお巡りさん、しょっ引けないんだよ」
警察官は取り合ってくれなかった。
「ちょっと、なっちゃん、置いていかないでよ」
そこへ、琉生が駆けつける。
「ご、ごめん、ちょっと怖くなって…」
尚緒は置いていってしまった琉生に詫びを入れる。
