「お、大森さん、ですか?」
榮一郎の所に行っていた俊征が一週間ぶりに香月とあってギョッとした。
彼女が病的にやせ衰えていたからだ。
一緒にいる、玲於奈は涙目になっている。
まただ…。また、玲於奈が悲しんでいる…。
原因は何だ…。そう考えた俊征は…
「あ、あの、今度、大森さんの部屋に上がらせてもらって良いでしょうか?」
普段の俊征からは考えられない言葉だった。
自分から、異性の部屋に遊びに行きたい等というのは…。
「あら、私は別に良いんだけど、彼女が何て言うかしらね、ねぇ、玲於奈」
玲於奈は俊征に好意を持っている。
彼女の親友とは言え、異性の部屋に遊びに行くと言って、彼女がいい顔をする訳がない。
だが…。
「か、彼女も望んでいると思います。自分は行きます」
俊征は言い切った。
絶対に、香月の部屋に、原因となるパンドラが潜んでいる。
榮一郎から、パンドラについての話を聞いてきていた彼は確信していた。
玲於奈はそんな、俊征の言霊にまた、暖かさを感じた。
「行こう、かづっちの部屋に!」
