「どうしたの、なっちゃん?…危なかったね、植木鉢。当たらなくてよかったよ」
心配した藍那が尚緒をのぞき見る。
尚緒は血の気が引いていた。
「あっちゃん…、校門の外…何が見える?」
「何がって、今、パン屋さんの車が通りすぎたかな?後は人ん家しか見えないよ。他には内の生徒くらいしか…」
「背の高い…」
「工藤(くどう)先輩の事?それとも、敦(あつし)君の事?」
「…違う、怪しい人…」
「怪しい人?…って何処にもいないよ、そんな人…あっ、坂田(さかた)君のこと?彼、確かに怪しいねぇ」
坂田とはこの学校の男子生徒でおちゃらけるのが好きな子だった。
もちろん、尚緒の言う怪しい人とは違う…
「いい…わかった…」
尚緒は諦めた。
琉生や警察官同様に藍那にも見えないみたいだ…