「史郎ちゃん、仲良さそうだね~」
史郎、サクラ、アンズの方を見ていたブドウが次郎に話かける。
「そうだね、良かった」
次郎は微笑む。
普段のおどおどした姿は無い。まるで別人だった。
実は、山城次郎という人物は存在しない。架空の人物だった。
正体は、機内礼、死んだとされた機内家の正当な跡取り息子だった。
彼自身はブドウの力により暗示にかけられ普段は次郎だと思いこんで生活していた。
礼は自分以外に四人の兄弟がいることを知った時、自分だけがのうのうと何不自由無く暮らし、他の四人が辛い生活をしているんじゃないかと悩んだ末、陸郎の五人の息子で家督を巡って勝負がしたいと父親に申し出ていた。
と、言っても帝王学を身につけていた次郎と他の四人とでは実力の差は歴然だった。
何とか平等に挑めるものはないかと考え、陸郎が趣味でやっていたアソシメイトを使って優劣を決める事を思いついたのだ。