古鬱島に入港するまでに五人の顔合わせはすんだ。
大和 市郎(やまと いちろう)、山城 次郎(やましろ じろう)、河内 佐武郎(かわち さぶろう)、和泉 史郎(いずみ しろう)、摂津 吾郎(せっつ ごろう)…偶然か【いちろう】から【ごろう】まで揃っていた。
まるで、兄弟の様に何となく気が合ってしまった。
3時間の船旅はあっという間に終わり、五人は古鬱島に上陸した。
五人を出迎えたのは数え切れないくらいのメイドさんとその奥にふんどし一丁でデンと構えている変なおっさんだった。
「入学おめでとう。我が息子達。父として、いや、校長として諸君らを歓迎する」
「は?」
変なおっさんは確かに言った。
五人に対して【我が息子達】と。
五人は母親と二人暮らしをしていて、父親は死んだ、もしくは行方不明と聞かされて育った。
五人の母親達は一通の手紙をもらった後、態度が急変し、なし崩し的に五人を古鬱高校へと導いた。
「私が、古鬱高等学校の校長であり、諸君らの父親でもある機内(きない)陸郎(ろくろう)である」