「何だよ…何か用かよ…」
祥吾の呼び出しに応じた浩紀は仏頂面で無愛想に用件を尋ねた。
「…彼女の…羽住が最期に持っていた形見なんだ…もらってくれないか…」
渡されたものは手のひらにおさまるような小さな物体だった。
「石棺…のミニチュア…か?」
そう思った。
縁起でもないと思ったが、ふと、祥吾の顔を見るとまるでもうすぐ死ぬかのように目の下に隈が出来て見るからに具合が悪そうだった。
その事からもふざけて渡しているようには見えなかった。
「…もらってくれないか?」
繰り返し祥吾は言った。
浩紀は祥吾の事は気に入らなかったがこれは大好きだった羽住の形見だと思い、もらうことにした。