行く先々でニーナは華堕物の女と呼ばれた。
ニーナが華堕物の僕なのか?
それとも華堕物の生け贄なのか?
ひょっとして華堕物自身なのか?…それは解らない。
だが、これだけは言えた。
ニーナを攫いに多くの敵が現れる。
これは間違い無かった。
禁司は姉の可温(かのん)を数多くの敵に食い殺されていた。
銀史は命の恩人の夏縁(かのん)を病気で亡くしている。
どちらの吟侍もカノンを守れなかった。
今度は違う。この世界のカノンもこのニーナも守ってみせる。
熱い性格の禁司とクールな銀史。
そっくりだけど、性格の違う二人の吟侍が守りたいと思うのは同じだった。