「初めて、守れたんだ。大切なもん、守れたんだ…嬉しかったなぁ…」
「………」
「だからかな…ここへ来るとまた、頑張れるんだ。また、あの時の感動を味わいてぇ…そう、思えるんだ…」
涙が頬を伝う琴太。
「泣いているの?」
「てやんでぃ、泣いてねぇよ、俺を誰だと思っていやがんでぃ、芦柄(あしがら)三兄弟の長男、琴太様だぜ!」
「うそ。泣いてた」
「泣いてねぇって言ってんだろ」
「ふふふ、うそ」
お互いを励ましあった夜から、二人の距離は近づいていった。
と言っても恋愛と呼べるものではなかったが、何となく、一緒にいて居心地が良い。
そんな関係だった。