「この辺に芦柄吟侍さんという方はいらっしゃいませんか?」
マリアン改めマリアは導造に何気なく尋ねてみた。
吟侍の武勇伝は外にも及んでいるため、話としては無難なものだった。
…無難なはずだった。
どよよよん…
みるみる暗い顔になる導造…。吟侍に対するコンプレックスを持つ彼に次兄の話はタブーだった。
「…吟兄に何か?」
「あ、いえ…、ちょっと耳にしたものですから、どんな方かな~って…。てっきりあなたがそうなのかと…」
マリアは分かり易過ぎる導造の顔を見て慌てて取り繕うとする。
「吟兄なら、お花ちゃんってゆー彼女がいますけど?二人はラブラブですから今からあっても…」
マリアは思った。だからもてないのよと。