カノンはユリシーズ達に自分のしてきた事を見つめ直すために自分史を作らせた。
アーサー達は露骨に嫌がった。
「うるせぇ、黙ってやれ!」
ただ一人、ユリシーズだけは、それまでの態度とはうって変わって自分史に真剣に取り組んだ。
だけど、内容ははっきり言って無かった。
やってきたことは悪いことばかりで、物語にならないのだ。
支離滅裂になる内容。全く筋が通っていない。
改めて、自分のしてきたことの愚かさを思い知らされる。
だけど、カノンはユリシーズ達と行動を共にして自分史の内容として成立するイベントを増やしてくれた。
楽しい、思い出が増えていったのだ。
悪いことをするのは簡単。でも、それで人を動かすことは出来ない。
良いことをするのは一見難しいが意外に簡単。そして、時には大きな力になる。
信頼を得るのは良いことをしていた場合だけ。
悪い事をしていたら、疑心暗鬼になっていつも心はひとりぼっち。
そのことを少しずつ体験し、理解していった。