「そう、それは良い経験をしたわね」
鏡の中のフリーアローラが言った。
今回、彼女の勢力、名無しはまるで役に立たなかった。ただ、ティアグラの世界の住人と訳のわからない闖入者に振り回されただけだった。
城へと戻り、親友であり、ウェントスの支配者アナスタシアと三人でお茶を飲むエカテリーナ。仲の良い茶飲み友達だ。泥太郎も近くで泥遊びをしている。
今回の事で、自分はまだ、最強ではないと知ったエカテリーナ。
上には上がいる…。それが理解出来た。
「妾は刺激が欲しいのじゃ。アローラ、占ってはくれぬか?」
「良いわよ。楽しませてくれる存在がいるかどうか占って見るわ」
「えー、いいわよー私は刺激なんていらないわ。平和が一番」
「妾はいやじゃ。退屈じゃ」
わいわいやりながら、フリーアローラの鏡占いを始めた。
鏡に一人の少年が映る。
名前は芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)。このウェントスにやってくる冒険者だった。
七番の化獣ルフォスを心臓に宿す男。