どうする?
王位継承権第一位の王女がわざわざ平民の少年に会いに他の星に出向くには無理がありすぎる。
思案に暮れるレリラル。
「俺を雇わないか?」
目の前には褐色の肌の青年が立っていた。レリラルはすぐに、この青年と自分の位置を別の場所に移し替えた。存在位置設定を変えたのだ。
「ほーう…神御の化身ともあろうものが、この私に雇われると?」
青年は神御の化身。瞬時に正体を見抜く。
「解っているのなら話は早い。人としての名はハザードだ。見ての通り、平民の出で、星を渡る資金が無い」
「つまり、私にその資金を出せと?陰で何をこそこそしておる神御め!!」
マカフシギ家は化獣を生み出したニナを崇拝する家系、つまり、化獣を倒したとされる神御とは敵対関係にある。
「我々は平和を望んでいるだけだ。お前の妹はティルウムスに取り憑かれているんだろ?これ以上、化獣に近い立場の者をあの星の周りに近づける訳にはいかない。それだけだ」
ハザード達、神御の化身達はいまだ、誕生していない12番の化獣と13番の化獣の核のある惑星ファーブラ・フィクタに化獣が近づくのを極度に恐れていた。
ファーブラ・フィクタ…ニナと共に13核の化獣を生み出した存在と同じ名をもつ星…そこに最後の化獣の核は存在した。
現在、ファーブラ・フィクタに最も近い位置にある風の星、ウェントスには2番の化獣フリーアローラが隠れ潜み、7番の化獣ルフォスを宿す吟侍が向かった。そして、ウェントスを含む四連星には1番の化獣ティアグラの気配で満ちている。
これ以上、危険な火種を向かわせる訳にはいかないのだ。