「♪もしもあなたに逢えたなら…私はまず何をする?笑顔でにっこり微笑もう、それとも涙が頬を伝うかな?…♪」
メロディアス世界王家の第七王女、カノン・アナリーゼ・メロディアスは訳あって一緒に旅が出来ない恋人、芦柄 吟侍(あしがら ぎんじ)を想って即興で歌を作った。
王家の歌姫でもあった彼女は歌うことで、好きな人といられないストレスを発散していた。
八割近くが海という水の惑星アクアの数少ない陸地へと降り立った彼女が最初に行ったのはそれだった。
彼女の美声に野次馬が集まって来る。
「あ、こんにちは皆さん」
ざわざわ…
返事を還す者はいない。
歌は気になったが絶対者の支配する過酷な地にやってきた来訪者に警戒しない方がおかしい。
人々は蜘蛛の子を散らすように住まいの穴蔵へと戻っていった。
「………」
無視…カノンがこの星の住人に受けたのは完全なるしかとだった。
