子供達をさらうため触手を伸ばす黒ずくめの一人。
吟侍が前に出て触手に絡みつき防ごうとする。
黒ずくめは振り回し吟侍をふりほどこうとするが、噛みついて放さない。
不格好だが、必死で友達を守ろうとしていた。
他の黒ずくめは…やはり吟侍に防がれていた。
「分身の術?」
他の子供達にはそう見えた。吟侍が四人に見える。
元々からいた格好悪い吟侍はともかく、後から来た三人の吟侍は黒ずくめ達を次々と倒していった。
あっという間に黒ずくめの集団は三人にまで減らされた。残るのは吟侍が相手をしているウネウネとした触手を持つ黒ずくめとリーダー格の男、その背後にいるもう一人だけだった。
「連れてきた部下はこの体たらく…無様だなジェンド…」
背後の一人がリーダー格の男ジェンドに話しかける。口調からするとこの男はジェンドの部下ではない。
「ふん…ルゥオよ、もはやこいつらは我が部下とは認めん」
吟侍が相手をしていた黒ずくめを手刀で切り刻み、四人の吟侍を見据えるジェンド。
「その子供、ただのガキではない」
再び、カノンを捕らえたルゥオ。
「見ればわかる。だが、どうということではあるまい…」
言うが早いか、ジェンドは吟侍の心臓に人差し指を突き入れた。
プシューッ!
指を抜くと血が噴き出す。即死しなかったのは奇跡に近かった。
血の雨とともに意識が遠のいていく吟侍。