「お前達、下がっていなさい…」
ジョージ神父が五回目になる命がけの特攻を仕掛ける。すでにボロボロだった。
黒ずくめの男達はすでに人間ではないこともわかっていた。
近くの星から来た絶対者・アブソルーター。人の身では逆立ちしても勝てなかった。

「やめてください」カノンが神父をかばう。が、逆に捕まってしまった。
彼女を守るSP達も簡単に殺されてしまった。
絶望的な状況だった。

「お、おじさん達、おいらと賭をしないか?」
突然、吟侍が黒ずくめに近づいて話しかけた。
「なんだと、小僧!」
黒ずくめは怒鳴るが、毎日、同じように子供達をさらっていくのに飽きていたリーダー格の男は
「かまわん、どんな賭だ?言ってみろ小僧」
と吟侍に対して多少興味を示した。怯える子供達の中でまだ、自分達に臆せず行動出来る者がいたのが良かったのだ。
「おいらがクイズを出すよ。それに答えられたら仕方ないけど、答えられなかったらこのまま帰ってくれない?」
「そうか、そうか。では、答えられなかったら考えてやろう。ただし三択問題で、こちらは二つまで答えられる。それ以上は譲らぬ。良いな!」
「じゃ、じゃあ、その子、お花ちゃんは何番目のお姫さんだ?1、第三王女、2、第四王女、3、第六…い、いややっぱり…」
「小僧、声がうわずっているぞ、はっきり言え!」
「1、3番目、2、4番目、3、7番目!どうだ?」

黒ずくめ達はにやにや笑っていた。3の答えが6番目から7番目と言い直している。ということは1か2が答えだろう…そう考えていた。
だが、答えは3、カノンは第七王女だった。見事に黒ずくめ達を不正解に導いて見せた。吟侍は安堵する。

「…よし、考えてやったぞ。だが、やはりダメだな!」
リーダー格の男の無情の一言が発せられた。
はじめから約束など守るつもりはなかったのだ。
「そこの小娘を放してやれ」
リーダー格の男はカノンを解放するように命令する。だが、これは優しさではなかった。
「この小僧と小娘以外を連れて行け!いつもの倍だ」
冷酷な命令が下される。