筆談ホステス
今回は斉藤里恵さんの著書『筆談ホステス』(光文社) をご紹介します。
銀座のクラブでホステスをしている斉藤さんは、1歳の頃にかかった病気がもとで、聴覚に障害があります。
高い付加価値でお客様に楽しい時間を提供する銀座のクラブ。
その超一流のおもてなしの要はホステスの接客術にあるといえます。
斉藤さんは来店するお客様との会話を筆談でするそうです。
著書では、そんな斉藤さんの幼少時代から現在までの思いや周囲の人との関係をつづっています。
5月31日に開催された握手会では、斉藤さんを応援する人たちをはじめ、
本を読んで共感した人や聴覚に障害を持つ人など、たくさんの人が訪れました。
握手会の前に開かれた記者会見では、報道陣からの質問に対する答えが、
ひとつひとつきれいな文字で、ていねいにホワイトボードに書かれていきます。
お店での斉藤さんは、ペンとメモパッドをいつも持っていて、お客様との会話に使います。
斉藤さんの『筆談ホステス』には、思いやりの気持ちやウィットに富んだ会話など、
コミュニケーションのヒントがいっぱい!ぜひ読んでみてください。
『筆談ホステス』(光文社)
斉藤さんの夢は、障害のある人もない人も一緒に働けるエステサロンやカフェを開くことだそう。
握手会の会場となったスワンカフェ
は、障害のある人もない人も、
共に働き、共に生きていく社会を実現させるためにできたカフェです。
銀座の他、赤坂などにもお店があります。
スワンカフェは、ヤマト福祉財団の故・小倉理事長とヤマトホールディングスが
設立した会社が運営しています。
握手会の後には、株式会社スワンの海津 歩社長のミニ講演会も開催されました。
障害を持っていてもいなくても、人にはそれぞれ特性があり、
その個性をお互いに理解して認め合い、
支えあって生きていくことが共生社会なのではないでしょうか。
ジャパンデザインネットの「ユニバーサルデザインの今」 でも詳しいレポートを紹介しています。
(編集部 仲田)


