子は鎹(コハカスガイ)とは
よく言ったもので、
息子は無条件でパパに優しい。

わたしは所詮他人だし、
優しかった主人が
半身麻痺の障害者になって、
高次脳機能障害独特の反応で、
暴言ばかりで、
ドタバタするようになって、
単純に嫌悪感しかなくなった。

息子は‥少し違う。
パパにイチゴのヘタを取って
半分に切って渡す。

隣に座って入学祝いのケーキと
写真におさまる2人。

わたしは‥まだ無理。

でも、久しぶりに
3人一緒に食卓に着いた時

主人がわたしに
唐揚げを一個くれた。

「大丈夫」だった。

(唐揚げが食べたくて嬉しかった
わけではないんだけれど)

いつもなら、口はつけてなくても
主人の食べかけの皿からの
食べ物なんていらない!って避けてた。
でも、それが、昔からある
彼の優しいところというか、
わたしが彼らのご飯を優先して
自分(私)は形が悪かったり、
足りなければ一個とかで
済ませていたメイン料理の配分も、
実はそういうところに気がついて
優しく自分の分を分けてくれるような
そういうのが、戻ったのかな?と
思えた瞬間だった。

テーブルは相変わらず
あれやこれや
ベトついたり
散らかったりだけど、

一瞬訪れた家族の時間で
彼のストレスが軽減したのでは?

と思ったのもつかの間

酒は隠れて一気飲みして
また倒れてる。

一方で、
息子は、春休みに会った義父が
とても優しかったこと、
ママが言ってたようなヒドいことは
言ってなかったよ‥と教えてくれた。

息子は多分パパとママが
また普通の夫婦に戻ってくれたら
そんな言葉は頭に浮かんでいるわけでは
なさそうだけど、
ごく自然に
そう、子は鎹 な役目を
体現しているような。

色んな意味で、

そういう、

時期が、

来たのかな。

5年経ちました。