体のあちこちに爪を深く食い込ませた傷がたくさんついてる。陣痛中の痛みに堪えられずに無意識の行為だ。

とくに右腕。腫れてきて痛いし抱っこで筋肉痛。

会陰の傷もまだまだ痛む。

足の付け根もよくわからない痛みがある。

今の私は傷付きながらも命懸けで産卵を終えて河口付近で息絶えた知床の鮭、まさしくそのものだと夫に大袈裟なメールを送ってみた。


夜中に娘を部屋に連れてきたシュレックにそっくりな古株の助産師さんが「この子は遊んでもらうのが大好きだよ。さっき私はこの子とたくさん遊んでお喋りしたよ。赤ちゃんは何でもわかってるしママのこともわかってるよ」と言ってきた。

「この子に話しかけたら『うん』って返事したよ」と言うので一瞬「マジで?」と思ったけど妖精みたいな助産師さんなのでほんとに赤ちゃん娘とお喋りしたのかも。

どんどん赤ちゃんに話しかけてたくさんほめてあげるんだよ!とアドバイスをくれた。

私も娘に「無事に出てきてくれてありがとうね」と伝えた。

なんか不思議な感覚。夜中、薄暗い中での会話だったし、今まで見たことない人だったからあの助産師さんは実在するのだろうかとか考えていた。


少しミルクを足してもらって満足したのか娘さんは薄明かりの中で目をパチリと開けて友好的な表情で私を見てくる。

産後はホルモンバランスの乱れが関係してるのか娘さんの顔を見ていたら突然号泣してしまった。

あまりにも無垢な存在に号泣。

抱っこしながら
「3日前までお腹の中にいていつも一緒だったのに」と号泣。

「お腹の中にいた時と同じ動きをする」と号泣。

未知の世界。
気持ちも感覚も。
新しい自分が始まったキブン。



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