丘の樹の下で足を伸ばす詩人 | 貴方のこゝろにバンドエイドを。(失恋・難病)

貴方のこゝろにバンドエイドを。(失恋・難病)

~14歳の恋愛不能、難病ねこが寂しさと痛みを
ねこセンセーと手放していった宣戦布告手紙集~

 


ただ、涙を誘うような切り口で

大人たちが巧みに次の若き死を

誘導しているようにみえた。 


SNSのタイムラインに

流れる大衆の涙は、乾く

のもはやい。

 

 

子どもの体に、隙間もなく

巻かれている包帯はいつも、

赤く寂しく染められている。

 

 

大人の一心不乱の愛はサハラの

砂漠で巻く水のようで、子ども

には届かない。

 

 

大人と子ども。

 

 

愛し愛される存在であることを

放棄してはいけない。愛は

引き継いでいくものだ。

 

 

無人駅のベンチで一人佇み、

丘の樹の下で足を伸ばす詩人を

眺めながら貴方はこう言うだろう。

 

 

「神様はどこにいるかわから

 ないけれど、それでも祈る

 しかないんだ、あの詩人

 のように」。