私の体からは死体安置所よりも
無機質でケミカル臭が漂っていた。
しかしある人との突然の出会いで
いつしか自分を傷つけることが
なくなっていった。
固くひきつったこゝろの
針穴が1つ2つ3つと
ゆっくりと開いていった。
湿ったプラスチックのコップに
ゆっくりと熱々のトマトスープが
注がれていった感覚だ。
コップの底に沈んで動かなかった
心臓のランプがじょじょに
灯っていった。
泣きたくても泣けない
もどかしさが昇華されて
いった気持ちは今も鮮明だ。
貴方の優しいブックエンドに
なってくれる人は必ず現れる
でしょう。
いつかこの手紙が笑い話に
なりますように。
ねこ
photo by cobalt123