御園座の吉例顔見世を観て来たなり〜 | うっきーマウスの食いだおれ七転八起

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今日も雨でしたなぁ。
こう毎日お日さんを浴びられないなんて、気が滅入る。
先週御園座に行ってからもう1週間。
早いわ。
簡単な記録だけ残しておきます。
チケットが高額だった(何度も言う)ので、夜の部だけにしました。
昼の部の鷹之資さんの三番叟観たかったなぁ。
夜の部の演目は、「羽衣」「口上」「鼠小僧次郎吉」
羽衣は「琴平で雀右衛門さんと染五郎さん 」で観たことがあったんだけど、その時はラスト雀右衛門さんが飛んで行った(宙乗り)のよ。
今回は書き割りと言うの?大道具の背景の半分がパカッと雲になって、消えて行くというものでした。
記憶が定かではないけど、演出が随分変わってた気がする。
天女は今回も雀右衛門さん、伯竜は錦之助さんでした。
なんだろう、前回が染五郎さんだったせいなのかなぁ、もっと性的な匂いがした気がしたんだけどなぁ。
今回はただただ美しい踊りにうっとりという解釈だったみたい。
次は口上。
ママの友達は死ぬまでに、もう一度大きな襲名の口上を聞きたかったんだって。
めっちゃ喜んでましたわ。
雀右衛門さんが進行役で、彦三郎さん、時蔵さん、萬太郎さん、錦之助さん、片岡亀蔵さん権十郎さん、萬次郎さんだったかな。
歌舞伎座より人数が多かったような気がする。
錦之助さんがどうやらネタ枠だったようで、「(菊之助さん)ゆくゆくはどえりゃあ役者に...」でめちゃウケしてました。(笑
席は上手8列目でした。
チケットを取った時は「あまりいい席じゃないなぁ」と思っていたんだけど、いざ座ってみたら見やすい席でしたわ。
舞台全体が見渡せるし、花道もちゃんと見えました。
御園座は最前列が取れなかったら、6列目まで傾斜がないから7列目以降じゃないとダメね。
最後は「鼠小僧次郎吉」は、私、甘ったるい世話物だと思ってたのよ。
全然違った。
黙阿弥作だけあって、なかなかのシュールな作品でした。
刀屋の新助・萬太郎さんは、お熊・萬次郎に嵌められて刀を売った100両と刀の両方共奪わてしまうの。
お金を用意する手立てがない新助は、恋人のお元・芝のぶさんと心中を決意する。
そこに稲葉幸蔵・菊五郎さんが現れ、事情を聞いて「お金は自分が用意する」とお金を工面しに行くのよ。
家に取りに行くのかと思ったら、その工面の仕方つうのが盗みなんだよね。(笑
いやいや、あかんやん。
そう、実はこの幸蔵こそ鼠小僧なんだよね。
まぁ、ここで2人の若い命が救われたちゃんちゃん、ならいいんだけどさぁ。
若い2人に渡したお金が盗まれたお金だと判明して、若い2人が疑われてお縄を掛けられてしまう。
そら、そうやん、盗んだお金を封したまま渡したら出所がバレバレやん。
鼠小僧、ちっともええことしてへん。
占い師として世を忍ぶ姿の幸蔵のところに、蜆売り三吉・菊之助さんが捕まったお姉さんのお元のことを占いに来るの。
若い2人を助けたと思い込んでた幸蔵は、2人が窮地に陥ってることを初めて知る。
なんちゅう間抜けなことよ。
「これはあかん」と自分が犯人だと名乗り出ることにするの。
で、そもそも新助を嵌めたお熊は、幸蔵の養母やん。
おかん、他にも悪いことをしてて、めっちゃ強欲な人なのね。
幸蔵と揉み合って、はずみで殺されてしまう。
何?この因果な関係。
ほんでもって、盗んだ屋敷の辻番をしてた与惣兵衛・亀蔵さんも盗人の手引きをしたんじゃないかとお縄になってる。
そして、なんとなんと!この与惣兵衛こそが幸蔵の実の親であったと。
おまけに捨てた女房の松山・時蔵さんまで現れて。
頭の中で相関図がぐちゃぐちゃになるわ。(笑
二重や三重に絡み合った因果、コレ、どうやって回収すんねん?
と思ってたらさぁ。
町奉行の白洲で親子の名乗りを上げたあと(なんで?)、「正当な裁きなら受けるけど、こんな理不尽な裁きは受けん」と逃げるのよ。
ええーっ!?なんで?
いくら人のためとはいえ、大金を盗んだんは事実やし養母も殺してるやん。
親殺しって大罪やろ?
理不尽な裁きって、何?
死刑に相当するような罪を犯してんねんから、たとえ殺されてもそれは正当やろ。
それなのに、裁きをしてた早瀬・彦三郎さんが温情をかけて実質逃した形になって...
「いずれ早瀬の手によって捕らえられる覚悟はある」と去って行って幕。
何?何?これで終わり?
鼠小僧って、もっとハートフルな話なんかと思ってたよ。
ほんまに悪党の話やったんやな。
うん?ちゃう?
ハハハ。
しかし、よーこんだけ因果を絡められたなぁ。
関心するわ。
黙阿弥先生、好きやわ〜。