どうも、Kenです。

MBAも2年目に入りまして、色々と応用的な授業が増えてきたわけですが、今回はいくつかの授業の中で特に面白かったなと思ったEntreprenerushipの授業について紹介したいと思います。

 

■5人チームとなりビジネスアイデアを練り上げ、立ち上げに必要な資金を募るための投資家へのプレゼン“Shark Tank”を行うという実践型の授業です。Shark Tankは日本の“マネーの虎”を基にしたテレビ番組でShark(投資家)たちに事業を拡大したいビジネスオーナーがそのビジネスアイデアをプレゼンして投資を募るというものです。私自身、最も力を入れた授業であり、CEOとしてチームを引っ張るという経験も含めて学ぶことが多かった講義です

 

■講師は自身も3度の起業を重ねて成功と失敗を経験した起業家。起業に際しての自身の経験、知識、そして人脈を若い世代につなぎたいという思いから教壇に立っているとのこと。授業は講師側からのレクチャもそこそこに、各チームのビジネスアイデアをクラス内でシェアして、それを基に講師とクラスメイトと議論を重ねるスタイルであり、実業の世界のプロフェッショナルから経験に裏打ちされた助言が受けられるのは非常に有意義であり、これまでの講義の中で最も「楽しい」ものでした。また、近年、米国内でも疑問視されているフルタイムのMBAプログラムですが、学問の世界のプロだけでなく、本講義のように実践経験のある人材とのコネクションをいかに作れるかがMBA教育の質を支える重要な要素だと感じました

講師紹介:David Gamboa

 

■私のチームは空港における乗り継ぎや遅延の際に仮眠できる場所を提供するというビジネス(NapPort) を提案。アメリカ国外を中心に簡易のカプセル型のサービスが登場しているが、意外とアメリカ市場では浸透していない。アメリカ人のチームメイト曰く、「アメリカ人は狭いのは嫌い」ということ。安直すぎると思うが、これが案外的を得ており、現時点でアメリカ国内で仮眠できる場所を提供しているのはホテル並みの価格設定の「個室」のサービスが中心であり、安価な個室が提供できれば十分ビジネスになるのでは、というのがもともとのアイデアです

 

■他チームは、クリスマスやパーティなどの室内の装飾品の定期デリバリ、マリファナビジネスへの算入を手助けするコンサルティング事業、ミクロファイナスアプリ、家庭料理の配食アプリ、等々日本市場ではあまりお目にかかりそうにないアイデアが多く、興味深かったです

 

■ビジネスアイデアの是非はともかくとして、ビジネスを一から起こし、拡大するため(事業を回す&投資を募る)という観点でのポイントを自分なりに整理する良い機会となりました。以下、その要点:

    Problem(問題は何か。問題の本質は何かを見極める。思い込みではないか)

    Solution(その問題への解決を提供できるものになっているか)

    Market(市場の規模は十分にあるか。セグメントやターゲットは明確か。実際にアクセスできる市場か)

    Competitor(競合条件)

    Business Model(どうやって収入をあげるのか、プライシングなど)

    Marketing(どうやって買ってもらうか)

    Operation(どうやって作るか、提供するか)

    Traction(何が強みか、なぜ売れるのか)

    Financial(ユーザ数、収入、費用/構造、利益(NI、EBITA、EBITDA)、投資リターン(IRR、ROI))

    Risk(起業にあたってのリスク。それをどうやって和らげるか)

    Team(だれがこの事業を起こすのか、なぜこのチームか)

 

■本講義や昨年のビジネスコンペへの参加を通じて、上記のすべてはいずれもが重要だと思う反面、1~3に如何に力を入れられるかがビジネスの成否(投資家が受ける納得感という点でも)の大半を決めているではないかとも。“問題の定義と解決策の提案。そしてそれを必要とする人が沢山いるかの確認”という単純な整理を納得感あるまで行うことが大事であるが、時間の制約や個人の思いなどから実際問題は難しい。。

 

ということで、長々と書いてしまいましたが、MBAの講義はハードスキル(知識)を学ぶタイプのものと、実践を通して応用すタイプのものに大きく分かれると思います。後者に重点を置いた本授業はこれまでの座学中心のこれまでの講義とは一味違い非常によい経験になったと思います。引き続き頑張りたいと思います!