27歳の時から3年近く中国で日本語講師をしながら住んでたんだけど。
始めは片言だった中国語も、だんだん板に付いてきて。でも、そうは言っても、ネイティヴじゃない喋り方って、分かるものじゃない?
だけど、中国はメチャクチャ広くて、地方によって、方言がすごかったり、漢民族の他に55の民族がいるというだけあって、多少ヘンな中国語でも、外国人だとは気が付かれないのね。
結構話せるようになってからは、だいたい「南方人か?」って聞かれて、面倒くさいから「そうそう。海南島から来たんだ」くらい言っておいたんだけどね。(中国語、もう今はほとんど忘れちゃったんだけどね)
どうして面倒くさいかというと、日本人と分かろうものなら、ものすごい質問攻撃が始まるから。
まず最初は、
「日本人?お前が?嘘だ~!!日本人の訳ないじゃん。だって、我たちと全然変わらないじゃん」
って言われる。
その頃、中国人にとって、
日本人の女子=安室奈美恵とか浜崎あゆみ
であって、こんなモッサリした素朴なのが日本人のハズない!って思うみたいで。
でも、一世代上になると、
「そういえば、お前はどこか山口に似ている…」って納得してくれたりもしたんだけど、
あ、山口=ももえのことね。
で、一応、日本人に確定したところで、
次、「何歳?なにしてる人?結婚は?」
これ、必須の質問。
青空市場に卵を買いに行っただけでも、小吃部に餃子食べに行っただけでも、必ず、ここまでは聞かれる。
そして、「お給料いくら?日本のどこの都市から来た?なんで結婚してないのか?その年でこんなとこ来てたら、もう売れ残り確実だよ」などなどが続くのね。
「もうお前は結婚できない」は何度言われたことか…。
今思うと27歳なんて、メチャクチャ若くて一番いい時じゃない?それを売れ残りの呪いかけられて、「確かに…」って自分でも軽く落ち込んでたのが悔しいくらいだわ。
そういえば、ある時、私、山水画を習うんで、硯(すずり)が必要になって、近くの文房具屋に買いに行ったのね。
中国語って、一文字を発音しても、通じにくくて、大抵、接頭語とか接尾語つけて二文字にすると通じやすいんだけど、それも地方でまちまちだったりで、辞書には一文字でしか載ってなかったのかな、一生懸命発音したし、その発音も正しかったはずなのに、全然通じなかったの。
そんな時は、同じ漢字の国同士。もちろん「筆談」よね。
でも、紙に書いて、「硯」って分かったのに、その店主、
「は?お前にどうして硯が必要なんだ?お前に硯が必要なわけないじゃないか!」
と、品を出してくれないの!
やっと通じたと思ったら、なんなの⁉️その言い草は⁉️
ムカ~
って来て、
「アンタに関係ないでしょ!私が要るって言ってんだから、要るんだよ!」
(中国語を直訳すると、どうしても「一人称=我」で、「二人称=お前」になる)
って血眼で言ったら、店主、うすら笑いを浮かべながら、
「あ。怒った
」
↑コレも中国でよく言われたんだけど、散々煽っておいて、ブチ切れると、こう言うのよね。
怒りがマグマのように湧いてくるんだけど、
でも、ここで引き返したら、怒った意味がないので、なんでもいいか、売ってくれ!と頼んでやっと買えたって話なんだけど、今思えば、店主、ヒマだから、私のことからかってたんだろうね。
(いずれにせよ、中国ではネゴシエーションの際、「怒って去ったら負け」的な外交術を学ばせてもらったわ。)
そんなこんなで、もう、しばらくして経験値を積んでからは、
「私は南方人。結婚してるけど、夫は仕事だから、今、一人で旅してる。お給料は聞いた相手のを聞き返して、それより少し多いくらい」
ということにして、快適に旅をするようになったというわけ。
でもね、中国から帰って来たばかりの時は、私もすぐにバスで隣り合わせた人に話しかけたくなって口がムズムズしたり、友達と話してて、「それいくら?」とか反射的に聞いちゃったりして(中国では、誰かが買ったものをいくらか聞いて、それをいかに安く手に入れたかを賞賛し合ったり、高く買ってしまったかを悔やんだりするのが作法なので)、自分でも、空恐ろしかったものだけど…。
でも、根掘り葉掘りって、失礼に感じもするけど、無関心よりいいよね。慣れたら華麗にかわすテクとか考えるのも楽しいかもだよね。