以前に書いたメモを見ていたら、連続とか稠密といった概念について考えた物が出て来た。
 私は数学者でないので、どこまで正確に考えられるかどうか自信が無いのであるが、次のような感じである。

 実数に「連続」という用語を使うのは錯誤の原因であるから止めた方が良い。
 分数(有理数)は、分子も分母も整数である。ある分数Aとある分数Bの間には、必ず他の分数がある。当然の事ではあるが、任意の異なる数の間には数がある事を「稠密」と言う。

 さて、実数とは何であろうか?。
 小学校から高校までの数学では、実数は自明のもののように教わるが、実数の定義も実例も全く提示されていない事に気が付いた人は10人に1人くらいはいるであろう。
 さて、実数が現れるのは、関数の値を計算する時である。たとえば、sin(2.5)といった数を計算する際に、この数は分数では表せないことに気付く。そして、分数を各項とする級数で表される。
 全ての項が分数であるが、その無限和は分数では表すことができない。これが実数である。

 さて、同様に、全ての項が実数であるが、その無限和は実数で表すことができるであろうか?。これは、是である。全ての項が実数の無限級数は実数となる。つまり実数の無限級数を考えた場合、超実数が存在しなくても大丈夫であるということである。これを数学では「完備」という用語で表している。

 以上のことで何を行ったかと言うと、無限級数という計算を行っており、その計算の答が必ず存在するという保証をする事を実数と呼んでいる。
 分かり易い例で言うと、代数方程式の答えは実数だけでは不十分であり、複素数を導入することで、全ての代数方程式は解を持つと言える。これと同様の論理で実数が構成される。その際の計算が「無限級数」である。

 さて、上述した中で「連続」の概念は出て来ない事にお気付きだろうか?。しかし、無限級数が収束するという「完備」の概念は提示されている。微積分の計算で出てくるのは級数である。イプシロンデルタ論法を、ある値を正確に求めるための無限に繰り返される計算手順と考えると、級数と同等のものとなる。

 さて、では、連続とは何であろうか?。連続とは、ある集合を2つに分けた時に、片方が閉集合と呼ばれる集合ならば、もう片方は開集合と呼ばれる集合となることである。開集合とは縁の無い集合の事であり、図形というものは境界線とか外形線を描くことで示されるが、開集合とはこの境界線や外形線が無い図形のことである。これが実数の連続性である。境界や外形があるならば、そこで断絶しており「連続していない」のである。連続とは、境界線や外形線の無い図形について言える概念である。
 これを教えないと、高校で「連続」を教えたことにならないと思う。