昨日の体操教室は、今年度の初回ということで、概論ふうに話した。

 まず、魚の骨格と人間の骨格の比較の話。人間は、魚→両生類→爬虫類→哺乳類という進化の過程にあるが、魚というものは、先カンブリア時代やカンブリア時代に様々なデザインの生物がいたが、そのなかで水中生活に最も適応した生物が魚である。それが陸上生活をするようになったために、前脚と後脚を発達させるようになり、脊椎と肋骨という魚時代にあった構造にこの2つが接合して、その接合部である肩関節(肩甲骨など)と股関節(骨盤など)が、構造上かなり無理な構造をしている事を説明した。

 また水中生活から陸上生活に移行することで肺呼吸となり、爬虫類から鳥類と哺乳類が進化したわけであるが、鳥類の呼吸システムと哺乳類の呼吸システムを比べると鳥類の方が高効率の呼吸ができることをみていった。このため、人間の呼吸システムの重要部分である肋骨と脊椎の可動性が、人間の呼吸システムの効率において重要であるという話をした。

 最後に、物理学と生物学の理論体系の根本的な違いについて話した。抽象的に言えば、物理学は演繹的な体系であり、仮説の検証という面が強いが、生物学は帰納的な体系であり、事実の解釈という面が主であることを足関節を例に説明した。

 こうした予備知識を知った上で、肩関節の体操、股関節の体操、脊椎の体操などを行った。