最近、シャインマスカットが安売りされているので(昨年なら2000円くらいのものが今年は800円くらい)、買ってみたが、おいしくなかった。甘味と酸味のバランスが悪く、香りも弱かった。
 ネットを調べてみると、今年の5月段階でシャインマスカットの開花異常が起きており、この暑い7月8月の夏を待たずして、不作であると分かっていたそうである。
 フランスでは、ボージョレーヌーボーなど、その年のブドウの状態をすぐに見ることのできる即席のワインを作っていて、買い付けの人の判断を仰いでいる。それを味の分からない人にまで売り付けることに成功したのは、ジョルジュ・デュブッフ氏の商売上手さからであった。僕は、年によってブドウの出来はそう大きく変わらないだろうと思っていたが、さすがにここまで味が違うと、ワインの出来もかなり違ってくるだろうなと思った。
 ただし今年のブドウは糖度は高いので、生食用ブドウとしては味のバランスが悪くて外れだが、ワインとしては最上の年になるかもしれない。ワインは凶作の年ほどヴィンテージになりやすいそうである。それは出荷量が少ないという事以上に、味が良いからであるそうだ。