人工知能の歴史年表を作ってみた。

 人工知能の歴史は、計算機の歴史、文法や言語学の歴史、論理学の歴史、この3つが絡み合ったものとなった。ここに載せていないことに、クラスター分析など統計解析の歴史がある。これも人工知能の基礎技術である。



紀元前4世紀、パーニニは、文章の解析方法を確立し、文法学を創始。

1614年、ジョン・ネイピアが、対数を発明する。
1623年、シッカートが、計算機を発明する。
1624年、ガンターが、計算尺を発明する。

18世紀~19世紀、世界各国で、自動人形が製作される。
1822年、チャールズ・バベッジは、コンピュータの設計にとりかかる。

 

1907年~1911年、フェルディナン・ド・ソシュールは、チューリッヒ大学で言語学を講義。

1929年、クルト・ゲーデルは、一階述語論理の完全性定理を証明し、コンピュータのソフトウエアの設計方法を確立。
1930年、ジャック・エルブランは、制限された一階述語論理が証明可能であるという「エルブランの定理」を発表。コンピュータが推論することができる可能性を確立。
1936年、コンラート・ツーゼは、世界初のコンピュータを製作。

1948年、クロード・シャノンが、『通信の数学的理論』を発表。
1949年、安定的に稼働する初のコンピュータEDSACが製作された。
1955年、ノーム・チョムスキーが、生成文法論を発表。
1956年頃、ジョン・フォン・ノイマンが、『計算機と脳』という本を書く(原稿完成直後に本人死亡のため、出版はかなり後となる)。
1958年、ジョン・マッカーシーが、人工知能用コンピュータ言語LISPを、開発した。
1965年、ジョン・アラン・ロビンソンが、「導出原理」を考案。コンピュータが推論することが可能となった。
1966年、ジョセフ・ワイゼンバウムが、人間の問いかけに返答するチャットボットELIZAを、開発した。
1967年、フランク・ローゼンブラットが、パーセプトロンという人工知能の仕組みを考案した。
1969年、マービン・ミンスキーとシーモア・パパートは人工知能について書いた『パーセプトロン』という本を出版。

1980年代半ば、4層のパーセプトロン(ニューラルネットワーク)によって任意の関数を近似できることが証明された。これ以降、人工知能は「構造」と「学習方式」の2つの分野に分けられて研究が行われるようになる。
1986年、デビッド・ラメルハートら、誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)という学習方式を提案。
1980年代後半以降、人工知能の学習方式をディープラーニングと呼ぶようになる。
1988年、IBMが、統計を用いたコンピュータによる自動翻訳方法を開発。
1996年、IBMによって、音声を文字(文章)に変換するVoiceTypeというソフトウエアがパソコン向けに販売される。
1997年、IBM研究所の並列計算機(ディープ・ブルー)はチェスで世界チャンピオンに勝った。これ以降、プロセッサを多数搭載する並列型コンピュータの開発が急速に進む。
1998年、舞鶴高専の中西巧ら、ペルソナウエア(チャットボット)を発表。

2011年、IBM研究所の人工知能(Watson)はクイズ番組で優勝した。
2011年、Apple社は、音声応答システムSiriの販売開始。