先日、ふと考えた、漢文の対句表現によるメタファーは数学の圏論と同じではないのだろうかと。
 修養斎の陰陽説の説明と圏論の定義があまりにも似ているので、そうした共通性は漢詩からくるのではないかと妄想した。

 対句表現は、いわゆる構造の類似性から成り立つ表現であり、たとえば「山が高ければ、谷は深い」という表現には大地の造山運動を含んでおり、造山活動がさかんな地域(日本で言えば谷川岳など、外国で言えばエベレストなど)では山は急峻で谷は切り立っているが、大陸の平原では山は低いし谷もなだらかであるという情景をも含んだ表現である。この「山が高ければ、谷は深い」は造山運動の激しさを示唆した表現であると思う。
 圏論では、メタレベルでの関係性を検討するための手法であり、山とか谷といった集合から、高い低いといった集合への関係性を示しているが、そのメタレベルとしては造山運動があり、その造山運動の激しい地域か穏やかな地域かという関係性もその上位にある。そして圏論では、それから抽象して、造山運動と人間性との対比として考えると、人も楽観論を唱える人ほど状況が変わると悲観論に落ち込むという、そんなところまでも表現できるものである。

 数学で圏論はここ100年ほどの考え方であるが、中国の漢詩の対句は3000年ほど昔からの考え方である。
 こんなことを考えると、日本や中国は数学が得意な人が出やすい文化環境であると思う。

 昨日の体操教室では、いままでとはちょっと毛色を変えて、武術について話した。

 

 武術と言うと、相手を殺傷する技術であると妄想する人が多い。これは間違いである。武術は、自分の身を守る技術であって、その手段は問わないというものである。手段は問わないと言うと、毒物を使うとか他人に命令して殺傷するといった方法を思いつく人がいるかもしれない。しかし、それは大変に一面的な認識であり、人間というものは物体ではないのだから、こちらに衝突しようとやってきたとしても、気が変われば衝突せずに帰って行くのである。自分を殺しに来た人間であっても、その場で友人となることができれば、別に暴力を使う必要はないし、武術の目的である自分の身を守るということは果たされる。これが武術である。

 

 人間は、自分が相手を怖がっていれば相手も自分を怖がるようになり、心理的な共感と言うか共鳴を起こす。これを避けるために、猫をかぶって近づいてきた敵が突然殺意を現したときに即座に押さえつける技能を持っていれば、恐れたり怖がる必要はないので、おっとりした呑気な雰囲気となり、より友人関係が結びやすくなる。このために、高速で動く技能やノウハウがある。それを狭い意味での武術と呼んでいる。

 

 誰でもそんなに早く動くことができるのか?とお思いになられるかもしれない。これは是である。これはこれまでにこの体操教室で脳や中枢神経系の仕組みを説明したが、その際にベンジャミン・リベットの話をした。40年ほど前に、脳の活動電位を調べていたベンジャミン・リベットは、動作が意識されるよりも早く筋肉への収縮信号が発せられていることを発見した。この間、約0.5秒である。0.5秒あれば誰だって1メートル~2メートル移動することができる。現代においては、自己とか意識とか自分というものが行為の発端として位置づけられている。しかし、そうではないと解明されてきており、誰でも早く動くことはできる。自分の意識を媒介としない動作であるからである。

 

 この訓練のノウハウが、狭い意味での武術と呼ばれる。いわゆる武術で言う「後の先」である。それで遅れないか?と思う人がいるかもしれない。斬りかかってくる相手と同じ脳の使い方をすれば遅れる。そうではない脳の使い方をすれば間に合うのである。これがリベットが解明したことである。つまり、武術の練習でなんでこんな変なことを練習するのかと言えば、脳の使い方を合理的なものにする訓練だからである。

 

 それを、殺伐とした世界における「技」として使わなくても、日常生活に生かそうということがこの体操教室の目的である。転倒しても、身体が地面に落下する間に中枢神経系が高速に働いて対処できれば、怪我は軽くて済む。何かが飛来してきても、何とか避けることができる。こうしたことは、脳が信じないことには動作できないため、ニュートンの運動方程式や微分方程式などを使って体操教室で説明し、可能であることを脳に理解していただいた。論理というものは、脳を説得するための手段である。現実や事実を見せても人間の脳は納得しないので、論理が必要な理由である。前頭葉が大きすぎて、妄想が出やすいのが人間の欠点である。これも昨年の体操教室でラマチャンドランの実験などで説明したことである。いわゆる「イリュージョン(錯覚)」である。

7月の体操教室のご案内

7月の体操教室のご連絡が遅くなり申し訳ございません。次の日程で行います。どうぞよろしくお願いいたします。

日時: 7月14日(日)、18時30分~20時30分頃

場所: 「田園調布せせらぎ館」第一集会室(最寄り駅は、東急東横線の多摩川駅です)

参加費: 500円(当日、集会室にてお支払いください)

参加申込: 不要です。ただし、配布資料の部数準備のため、ご連絡いただけると助かります。

メール: uchiyama4u@gmail.com
電話: 090-2468-2971

服装: 動きやすい服装でお願いします。上履きは必要ありません。

内山 真

 買ってきたブドウが(安売り)、1個だけカビが生えていたので、どうしようかな?と思って、カビが生えている物を取り除き、殺菌処理することにした。

 次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を作り、それにブドウをしばらく浸漬しておいてから、水洗いして、清潔な水に漬けて次亜塩素酸を希釈した。

 この方法を知っている人も最近では多くなった。この方法は、コンビニやスーパーや外食産業で行なわれている生野菜や生のフルーツの殺菌方法である。
 昔は、食中毒対策として、調理器具や食器を消毒することが行われたが、現在では、食材まで殺菌して提供する時代になってきている。

 この処理を行うようになって、外食産業やコンビニの生野菜や生のフルーツで食中毒になる人は激減した。
 しかし自分で行ってみると、ちょっと抵抗があったが、食中毒になるよりはましかなということで実行した。

 次亜塩素酸ナトリウムの濃度基準を守って、その後の真水に漬けることをすれば、おいしかった。当然と言えば当然であるが、、、

 こういう話は信じるか信じないか、論理的ではない話であるが、書いて置く。

 うちの治療院は、非常にリラックスできることで、治療に来る人から不思議がられている。僕も、この部屋を借りた当初、ここに来ると熟睡できるので不思議に思っていた。

 この土地の歴史を調べると、明治天皇の妃である昭憲皇太后が病気になると皇居からこの地にあった別荘に来て静養していたということである。明治天皇が崩御してからしばらく経って、明治神宮というものが建立された。明治神宮の境内から僕の治療院まではわずか150メートルである。
 そんなことを考えていたのであるが、どうも違う可能性が出てきた。

 スマホに変えてから電話の音声がよく伝わっていないことが多くなった。いろいろ調べてみると、電波が弱いとそうなるらしい。コンピュータに詳しい患者さんが、治療院の中では電波が弱くてネットの接続がうまくいかないと言っていた事を思い出した。
 スマホの上の方に電波の強度のマークが出ているが、弱いという表示になっている。ベランダに出ると、十分な電波強度であるという状態になった。どうやら、うちの治療院の中では電波が弱くなっているようである。
 室内をあちこち歩きまわって電波強度を調べると、治療用ベッドの部分で最弱になっていた。治療用ベッドでは、スマホはほとんど使えないという電磁波の強度である。

 さて、以前に僕がサラリーマンをしていた頃、僕の部署では原子力発電所の安全性を調査していたが、隣のセクションでは高圧送電線の安全性を調査していた。
 高圧送電線からは微弱な電磁波が出ており、これが脳腫瘍や白血病などの癌の原因になっているのではないかという疑いである。それでさらに当時、携帯電話が急速に普及してきており、この電磁波の方が送電線からの電磁波よりも強いために、人体への影響が懸念された。
 モトローラ社が携帯電話を開発した際に、基地局から離れても通信できるはずであったが、通信できないというトラブルが多発した。そこで調査すると、携帯電波が発する電磁波の約半分を人体(頭部)が吸収しており、基地局までの通信が十分できないという状況であったことが明らかになった。

 その後、電磁波過敏症というものがあることが明らかにされ、電磁波によって癌の発生はとりあえずないとされるが、電磁波過敏症の人は頭痛や吐き気や皮膚感覚の異常やその他の不定愁訴的な症状を呈することが明らかになった。このために、スマホの電磁波はなるべく弱くなるように開発が進められ、電話を掛ける際に耳にスマホを当てた状態では、電磁波は外側に放射されて耳の方にはなるべく放射しない構造として設計されるようになった。

 最近、5Gという超高速通信の基地局があちこちに作られている。電磁波の強度を上げると通信速度が高速になるので、5Gという通信システムでは電磁波の強度がかなり強くなっている。電磁波過敏症の人は、症状が悪化するだろうと言われている。国によっては身体に影響が大き過ぎるために5Gの導入を見送っている国もある。

 ということで、鉄筋が十分入っており、コンクリートの崩落が無いように金網が中にあるマンションでは、壁が電磁波を通さないようになっている。窓も、地震で割れても大丈夫なように金網が入っているガラスであり、電磁波をほとんど通さない。うちの鍼灸院が、たまたま、そういうマンションであったために、うちの鍼灸院のベッドでは、電磁波による中枢神経(脳など)や末梢神経などへの影響が少なく、それでリラックスできるのではないかと思う。

 場所的には、代々木のドコモビル(高さ200メートルの電波塔)の近くであるから、電磁波は強いはずである。それを遮断する壁や窓ガラスなのであろう。体が弱い人間は、5G時代には、そういう住居に住む必要があるのではないかと思う。