表裏 | 内田祥一の挑戦ブログ・・・とりあえずやっとけば!?
今日、雑誌で読んでた記事の内容が
あまりにも切なかったので、記す事にしました。

財政危機に陥った
ギリシャ、イタリアでの緊縮財政において
自殺者が増えているというものです。

5月10日の午後、ナポリ郊外に住む実業家のアルカンジェロ・アルピノ(63)は『ロザリオの聖母』で有名なポンペイの聖堂に行き、聖画の前にひざまずいた。それから駐車場に戻り、銃で自分の頭を撃ち抜いた。
彼のポケットには、3通の封筒があった。1通は妻子のために聖母の加護を願うもの。2通目は自分の経営する建築会社の困難な状況を説明したメモ。3通目はイタリアの徴税公社エクイタリア宛てで、脅迫まがいの督促と容赦ない追徴課税を非難する内容だった。

3月末にはジュゼッペ・カンパニエーロという男性が、追徴税を2倍にするという最終通告を受け取った後、ボローニャのエクイタリア事務所前で焼身自殺を図った。
救助されたが重度のやけどで9日後に絶命した。
夫は一度も税金の話をしなかったと、妻のティツィアナ・マローネは言う。たぶん、それが男のプライドだったのだろう。カンパニエーロの遺書は痛ましい。

「愛する人よ、私はここで泣いている。今朝、私は少し早く家を出た。君を起こして、さよならを言いたかったが、君はとてもよく眠っていたので起こすのをやめた。今日はひどい日になる。みんな、どうか許してくれ・・・・・。みんなに最後のキスを。君を愛している。ジュゼッペより」

そしてふと、彼の境遇に自分が置かれたらと、考えてみた。
おそらく、わたしも同じく、妻を起こさずにいくだろう。。

年初来の緊縮策で追い詰められたとみられる人たちの自殺や死亡例は既に80件を超えている。

カンパニエーロの妻は、こう語っている。
「家族を養うことができなくて夫が命を絶った。この心の痛みは永遠に癒えない」
「そんなふうに人生を終わらせるまでに、どれほどの絶望に耐えてきたのか。私には考えることさえできない・・」

ギリシャでは、厳しい緊縮財政が課されて以降、既に1727人が自殺、または自殺を試みている。

5月6日のギリシャ総選挙投票日の前には、職を失った地質学の講師が街灯に首をつって死んだ。同じ日、将来に絶望した学生が拳銃自殺し、教区民の苦しみに絶望した司祭がバルコニーから飛び降りて命を絶った。

自殺の場合、たいてい生命保険は支払われないが、債務者が死ねば借金の返済は免除されることが多い。だから何ヶ月も前から自殺を計画し、残された家族が債務を抱え込むことにならないよう、手続きを済ませておく人もいる。
ホットラインには「自分が自殺したら家族はどうなるのか」という問い合わせがたくさんあるそうだ。

債務不履行を避け、財政を正常化するためには、緊縮財政はやむおえないと私は思う。実際そうしなければ経済は破綻し、もっと多くの人が困窮すると思われるからだ。
しかし、それにおいて家族を失った人や、その親族は、理屈では分かっても感情では相容れないだろう。

その事が、欧州において過激な思想の政党が議席を増やし、躍進している要因の一つでもあるのだろうかと思えた。

多くの人は終局、理屈ではなく感情で動く。

それが欧州の未来に対する不安と、自らの生き方、いくら自分が正しいと行動していても、それによって傷付く人がいるのなら、それ自体の正悪(やり方)が問われるのだと。