兄弟も多いと1人くらい出来の悪いのがいるものだ。
子供のころはそれでも楽しかった。
勉強が出来なくたって要領が悪くたってどうでも良かった。
この年まで1人も欠けることなく兄弟がそろっているのは幸せなことだと思っていた。
しかしいつも上手くいってるわけではないと知った。
長兄と姉は仲たがいしてしばらく行き来をしていない。
次兄は幸が薄い人だった。
大人になっても要領が悪く自力で生きていくことさえ半人前だった。
助けてあげられないけど彼なりに小さな幸せを見つけて欲しいと思っていた。
兄嫁は彼を疎ましく思っていた。
末兄はまあなんとかやっているのだろう。
ここ数年は兄弟がチグハグで胸が痛かった。
悲しかった。
どうしてこうなってしまったのだろう。
悪態つきながらでも兄弟で交流を続けていたかった。
兄嫁に遠慮することなく次兄を助けてあげたかった。
苦しい胸のうちを兄弟に聞いてもらいたかった。
次兄は暑い閉め切った部屋でビールを飲んだくれ
ゴミだらけの部屋で誰にも知られずに熱中症で死んだらしい。
最後のビールは美味しかったと思いたい。
酔って幸せに死んでいったと信じたい。
あの日寝る時に変な音を聞いたんだ。
次の夜も聞いたんだ。
あれはラップ音だったのだろうか。
次兄は死んで会いにきてくれたのかなあ。
とうとう1人兄弟は欠けてしまった。
これを機に長兄と姉は仲直りしてくれるといい。
誰もやっかいものが死んでくれたなんて決して言わないでね。
おバカな兄だったけど好きだよー。
これからはいつでも遊びに来てねー。
(合掌)