新国立劇場開場25周年記念公演
『レオポルトシュタット』
10月31日に無事、全公演を終えました。
報告が随分と遅れました。すみません。
このご時世、スタッフさん含め総勢80名近い大所帯で、10日に一度のウイルス検査をしながらも全公演完走できた事は、最早奇跡的とも言える事でして、新国立劇場のスタッフの皆様の感染防止対策に心から感謝感謝なのでございます。
こちら、日々歩き回っておりました裏動線と呼ばれる楽屋から舞台への通路。
右側のグレーのリノリウムの上は衣装の靴でのみ歩行可能。やむなく横断する時は横断歩道を踏んで渡る事ができます。
いつも楽しみな差し入れやケイタリングなども、今回は一切なし。
到着後の検温、消毒、うがい、舞台本番中以外のマスク着用など、徹底しておりました。
ま、それだけ気をつけても、誰が悪いわけでもなく突然公演中止になる時はなってしまうわけでして、コロナ以後、一回一回の公演の重みが変化したように感じます。
しかし、最後まで一公演も欠けずに上演できて本当によかった。
『斬られの仙太』の時は千穐楽が緊急事態宣言により公演中止になったのでした。
たった一公演でも本当に辛かった。。
さて、今回私はモーヘールと言われる割礼師の役と、パーシー・チェンバレンというイギリス人新聞記者の役の2役をつとめました。
こちらモーヘール。
モーヘールとはユダヤ教の男児にとって大切な割礼を施す人のこと。
皆でラビのお話を聞く為にシナゴーグにも行きました。
初めての体験で面白かったですし、知らない事だらけで勉強になりました。
こちら変わってパーシーチェンバレン
衣裳の前田文子さんに大変素敵な衣装をご用意して頂きました。
トムストッパードの戯曲は俳優への要求が高く、作家からの要求と、演出の小川絵梨子さんの要求に答えるのに必死でした。
しかし、素晴らしい戯曲。
日々、発見があり、また役も演じるシーンも難しく、初日が開いてからも密かに稽古稽古稽古の日々でした。
終わってしばらく経つのに、まだ考えてしまいます。
そして、素晴らしいスタッフ、共演者に恵まれました。
稽古場で、舞台上で、どんなに助けられたかわかりません。
本当に感謝感謝です。改めてチームプレーの大切さを身をもって痛感いたしました。
舞台はそうでないと完成しません。
本当にありがとうございました。
思えばオーディションで頂いた役。
合格のお知らせを頂いた時は本当に嬉しかったです。
小川絵梨子さんが芸術監督になられてから、フルキャストオーディション企画が始まって、私達にも新国立の舞台に立つチャンスを頂けた事、本当に感謝しています。
今まで、こんなチャンスはなかったのです。
これからも頑張って参ります。
今回ストーリーの主軸は勿論、家族の話、家族の歴史の話なのですが、ユダヤ人一族のそれも大戦下での歴史の話となると、当然ナチスドイツによるホロコーストの話は避けては通れないわけでして。
直接的にホロコーストを描くシーンはないのですが、参考資料を随分と読み、映像を見て改めて勉強いたしました。
日本は当時ナチスドイツと同盟国でありました。
また劇中出てくるガリツィアとは、今のウクライナの南西あたり。キーウなんて地名も出てきました。
決して我々と関係ない遠い昔の話などではありません。
特に若い観客の皆様にはしっかり届いて欲しいテーマだなぁと思いながら、演じておりました。
さて。
千穐楽翌日から、次の舞台のお稽古に入り、頑張っております。
またこちらでお知らせさせてください。
お稽古お稽古の日々で報告遅くなりました。
ご来場くださったお客様、まことにありがとうございました!