はじめまして。

 

「橘漱石」を演じている川上洋平と申します。

普段は[Alexandros]というバンドで

ボーカルをやっております。

今回初めてドラマの世界に足を踏み入れ、

刺激的な日々を過ごさせていただいております。

 

早いもので。

もう8話が終わり、次は9話ですね。

 

去年の12月頃、

手が悴む程寒い日に

撮影現場に入りました。

クランクインというやつですね。

小西さんと空ちゃんが一緒でした。

ロケ弁はシャケ弁でした。

 

お芝居のアレやコレやを

見様見真似で共演者の皆様から学びました。

監督やスタッフの皆様からも

本当に色々教えていただきました。

4ヶ月ぐらい経ちました。

 

さて、少し胸の内を話しましょう。

 

「橘漱石」という役をいただいた時、

胸が踊るほど嬉しかったのを覚えています。

まるで唯一無二の親友ができたような。

同い年の仲の良い従兄弟と

冬休みの間だけ遊ぶような。

ドラマ初出演!という事実より

「役を頂いた」事に喜びを感じておりました。

 

彼に命を吹き込んであげたい、

と偉そうに語る程経験値がないことは

周知の事実でありますが。

そんな私でも彼のプロフィールを読み、

どんな行動を繰り広げて行くかを知った時、

「支えてあげたい」と未熟ながらに思いました。

 

そしてそれは文字通りの「支える」という事でした。

その時点で彼はまだ空想上の人物であって。

その人物を私のカラダに投影させて、

実在の人物としてほんの一瞬でも存在させてあげたいなと思ったわけです。

ドラマで、テレビで、お茶の間で。

愛着にも近い感情かもしれません。

いや、ほぼそれですね。

 

まぁそんなこんなで「橘漱石」は

私の体を使ってこの”世界”の中で呼吸をし始めました。

 

仕事には暑苦しいぐらいの情熱を傾けるも、

担当する憧れの小説家と長年お付き合いをしている

彼女との狭間で心を揺らす彼に対し時に愛しく、

時に苛立たしいと感じていました。

 

例えば碧さんとサリーで揺れる箇所。

最初は「優柔不断で不埒な男やなぁ...」と

思っていました。

結局どっちなんだお前は?と演じる際に

考え込んだ事もありました。

ただ考えれば考えるほど、台本を読めば読むほど

人間ってそんなもんだったりするのかもな…

と思い始めました。

 

よくわからない行動をしてしまう

よくわからない感情が芽生えてしまう

 

だから可笑しいし哀しかったりする。

一辺倒でない、一筋縄ではいかない、

それが人間なのだなと。

そしてそんな人間臭い、

絶妙な隙間に潜む感情を

ちゃんと出してあげなきゃと思いました。

 

…なんてこんな感じで彼の事を擁護してしまうぐらいのめんどくさい愛着が湧いてしまっている私です。

 

さて、そんな彼とももう少しで

離れ離れになってしまいます。

彼の”世界”とも。

寂しいものですね。

 

しかしまだまだ物語は終わっていません。

最終話に向けて色々とお話はまだまだ転がります。

 

碧さんと空ちゃんの恋の行方。

それぞれの感情の揺れ幅。

 

そして漱石の未来。

 

次回第9話、お楽しみに。

 

 

川上洋平

 

PS:たい焼き食べたい。