A-10SGを作られた方で、無信号時のノイズ(ホワイトノイズ)を気にされるWebを見かけました。

音質についても酷評されていますが、音質は好みの問題があるので百歩譲るとしても、A-10SGにホワイトノイズなんて全く気になることはないです。
VRを最大にしてフロア型スピーカーに耳をあてても、通常のオーディオ専用アンプと比べて劣ることもない。

 

果たして一体どういう作り方をしているのか?

また、どういう電源を用いているのか興味がわきます。

 

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他の雑誌の完成品付録アンプと異なり、部品から集め、電源装置も揃えなければならないのがA-10SG。

大概の方は、港北さんや日本橋のお店などで販売されている部品セットを用いておられる様ですが、電源に至っては粗悪なスイッチング・レギュレータを用いている方を大勢見かけます。

 

あえて港北さんの電源を販売させたいのかステレオ時代誌も電源に関して情報が少ないので、安易にスイッチング・レギュレータを使う方が多く、本来のA-10SGの評価に問題が出るのは明白。

A-10SG採用のパワー・アンプICを考えれば、本来ならバッテリー駆動で用いるべきなのは言うまでもありません。
バッテリーに関しては別の機会として、AC電源はシリーズ・レギュレーターを用いるのは最低限のお話し。

と言うことで、先ずはAC電源に関して申し上げます。

 

A-10SGは従来ながらのAB級アンプ。
従って、AC電源なら最低でも、昔ながらの巻き線トランス式によるシリーズ・レギュレータ電源を用いるべきでしょう。

 

当初、針式メーターの安定化電源装置を使用していました。

勿論、昔ながらのトランス式によるシリーズ・レギュレータ方式。

30年来の実験用万能電源装置ですが、いい音を出してくれます。
しかし、いかんせんアンプの大きさに対して電源装置が大きく、また不格好。

急遽、同等性能の小型電源装置を製作しました。

 

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話は脱線します。

 

<< A-10SG追記 >>

 

アンプを使用しない時はVR(アナログ)を最小にしておきます。

その方がVRの劣化を抑えられます。

理由はVR内部の抵抗体にブラシがあたって、劣化が進みます。

アンプを使用しない時、VRを最小にしていれば実用域でガリになりにくいです。
その考えを基に本アンプの使い勝手を考慮しました。

 

左の主電源スイッチをONにすると、スイッチのLEDが点滅。
VRを最小より上げるとVRのクリックと同時に主電源スイッチのLEDが点灯、スタンバイ回路が解除され音が鳴ります。

電源を落とす際は、VRを最小にしてから主電源を切ります。

主電源スイッチがあれば、アイドリング電流(本機の場合約80mA)をOFFに出来ます。

スタンバイはVRに任せるという仕様です。

 

この回路は、前回のフロントパネルに直付けした基板がそれです。機会があれば、回路図を公開します。

 

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話は戻って電源装置の新規作成の件ですが、20年位前に秋葉原で購入して未だ使用していなかった電源トランスを使用。

価格は¥500ながら、AC14V/35VAと結構大容量。

 

アルミケースは、酔った勢いでネット通販で購入したタカチのアルミ製ケース UC7-8-14GX。

しかし、酔った勢いで購入したのが良くなかった。
ケース本体の大きさが幅70mm x 高さ80mm 奥行140mmと小型サイズ。
案の定、電源トランス、電圧・電流計(Amazonで購入)、ネオンランプ&主電源スイッチ付きACインレットを入れたら、隙間が殆どない。

しかも、回路を考える前にケースを加工したので、否応なく完成させなければならない。

 

 

背面(ネオンランプ付き主電源スイッチのACインレット)

 

ディスクリートによる凝った回路を予定していたものの、空間の大きさによる制限で三端子レギュレータで組まざるを得ない。
先の実験用万能電源回路の後継として製作するので可変電圧とする為、横着して三端子レギュレータLM350Tを採用。

LM350Tは秋葉原の秋月電子にて購入。

 

回路も横着して、推奨回路の定数変更程度で組みます(下図参照)。

VRにて1.3~15V可変します。

ここでは14Vで駆動します。

¥500の値付けシールがチャームポイントの電源トランス!!

フェライトコア横の電解コンデンサの直下にはブリッジダイオードをケース底面に直付け。

三端子レギュレータIC LM350Tもケース底面に時直付けしてケースを放熱器代わりに。

アルミの肉厚が厚いので十分放熱してくれます。

 

アンプの下は従来から使用の万能安定化電源装置。

右は今回作成した万能安定化電源装置。

 

可変電圧型三端子レギュレータLM350Tなので期待していなかったのが、予想に反して出来が良い。
思っていた以上に音が良い。とにかく解像感、低音の厚み、どれも予想を上回る。
これなら日常使い用として全く問題ないのが正直な感想。

 

スピーカーはSTEREO誌付録のフォステクス8cmフルレンジ。

勿論、フロア・スピーカーも全く問題なしに駆動可能(通常、Bose363を使用)。

アンプの上には懐かしのAIWA製DAT HD-X1。

 

DC14Vで鳴らすとゴキゲン・サウンド!!

消費電流は約0.35Aと低消費電力。

MaxのDC15Vで駆動するとA-10SGの安定が悪くなります。

IC仕様書の最大18Vは、あくまで耐圧。15Vでは不安定。
クラウドファンドの正規改良版でも14Vとしているのは、この為。

前面のスイッチはDC OUTスイッチ。ツマミは電圧調整用。

DC電源ケーブルはAWG18の線材を使用(これ以上太いと使い勝手と加工性が悪い)。