DigiFi10、濁った音やホワイト・ノイズは前回のヘッドフォン・アンプ周りの見直しで、実用上問題ないレベルまで改善されました。
しかし、相も変わらず解像感は、同じPCM2704搭載機のLXU-OT2や秋月電子のUSB DACと比べ、見劣りは明らか。
音の解像感や臨場感は、VICSやaitendoのPCM2704搭載機と同じ傾向です。
残念ながら、DigiFi/Olasonic USBヘッドフォン・アンプはLXU-OT2や秋月とは異なり、VICSやaitendo同様にPCM2704の3.3Vセルフパワー・モードではありません。
VICSでの改造で味をしめ、更にDigiFi/Olasonic USBアンプでも大幅な改善を確認。
であれば、本機もこの改造を行うと大幅な音質改善が見込まれます。
DigiFi/Olasonic USBアンプ以上に基板のパターンが細くて細かいけど、大きな改善が見込まれるPCM2704の3.3Vセルフパワー・モード化を行いました。
PCM2704の3.3Vセルフパワー・モード化
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本題の前に前回の電解コンデンサに交換について
本機の電解コンデンサは自動挿入機を使用している為、部品点数を減らし手間を掛けない様に工夫されています。
デカップリング電解コンデンサは、ヘッドフォン・アンプのカップリング電解コンデンサと全く同じ220マイクロや22マイクロを使用。
ましてUSB電源の+5VのC1に220マイクロ、C2に22マイクロは過剰容量なので、C1に100マイクロのOSコンデンサに交換、C2は削除。
オペアンプのデカップリングのC31/C32/C51/C52の220マイクロも、100マイクロのOSコンデンサに交換。
PCM2704 18ピン(VCOM)は、前作DigiFi.7では0.1マイクロのチップコンデンサと少な目が一転、今回は220マイクロ(C16)と過剰。
47マイクロのOSコンデンサに交換。ここだけはOSコンデンサは重要。
C6(47マイクロ)もOSコンデンサに交換。C8/C9は現状保留。
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3.3Vセルフパワー・モードの改修手順
①PCM2704をセルフパワー・モードに切り替える為の改修 1
PCM2704 4ピン(PSEL)と 21ピン(HOST)を半田吸取線で半田を吸取り、浮かせます。
絶縁テープを敷いて、4ピンは6ピン(DGND)ピンと接続。
6ピンに半田するのは大変なので、C12側と接続するのが良いです。
21ピンは+5Vと接続。C2(22マイクロ)の+側に接続すると良いです。
PCM2704 4ピン、21ピンはIC下のパターンで他につながっています。
どこかのパターンをカットしてやる方法は、残念ながらありません。
この作業さえクリアすれば、②以降は大したことありません。
②PCM2704をセルフパワー・モードに切り替える為の改修 2
削除したC2(22マイクロ)に、1Mオームの抵抗(店頭在庫なし910Kオームで代用)を取り付ける。
あくまで21ピンのプルダウン用の抵抗なので、炭素皮膜でも大丈夫。
③三端子レギュレータIC(NJM2845DL1-33)の追加(電源供給)
三端子レギュレータICの入力に、USBの+5V(Vbus)ラインを接続。
出力に33マイクロの手持ちのOSコンデンサと0.1マイクロのセラミックコンデンサを取り付け(OSコンは基板表面、0.1マイクロは裏面)。
三端子レギュレータICやOSコンデンサは、Vbus5Vラインが近くてGNDが豊富なL1の裏面のパターンを利用して取り付けました。
④+3.3V供給
三端子レギュレータの3.3V出力をPCM2704の各端子に接続します。
7ピン(VDD)、10ピン(VBUS)、13ピン(VCCL)、16ピン(VCCR)、20ピン(VCCP)。
ICの端子に接続するのは大変なので、10ピンはパターン、他の足は延びているパターンを追ってチップ・コンデンサ側で接続しました。
基本は前記事のVICS、DigiFi.7の改修と同様です。
http://ameblo.jp/uchiday0714/entry-11393096741.html
http://ameblo.jp/uchiday0714/entry-11221058062.html
PCM2704のセルフパワー・モード化は、極めて効果が大きいです。
何故、DigiFi/Olasonicは、毎度、採用しないのか理解できません。
三端子レギュレータICは、秋月電子でたったの¥50(税込み)。
「とっことん音にこだわった」ではなく、「とっことん原価にこだわった」?
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歪んだ音は前回の改修で改善、かすみ掛かった音は今回の改修で改善。
これらの改修で劇的に音質向上。
ぬかるみを歩いているような締まらない低音も、大分改善。
LXU-OT2改造版まで一歩手前まで近づき、比べなければ十分実用的です。
ここまで来れば、「とっこっとん音にこだわった」と言えます。