あとは2人で話しなさいと、お義父さんが部屋に戻った。

 

すると、まだグスグスしている私を抱きしめて旦那がこんなことを言った。

 

 

「バカなことして本当にごめん。俺は今まで、何でニャー子と娘がここにいてくれることを、当たり前だと思っていたんだろう。」

 

「2人がここにいて普通に暮らせる幸せを、どうして分かろうとしなかったのか。」

 

「これまでの事を償って、一生大切にするから…。」

 

 

そして、旦那はまだ告白があると言う。

 

 

「実は明日、B子と会う約束をしていた。」

 

 

はっ?

 

 

明日と明後日、旦那は仕事が休みだった。そういえば、「明後日、休日出勤がありそうだ」とLINEを送ってきて、私が軽く嫌味を返したあの日。実はその休日出勤自体が架空のもので、またウソをついて会おうとしていたらしい。

 

タイミングがいつだったかはもう忘れたけれど、夕べ旦那のLINEからA子とB子に勝手にメッセージを送り、全てを暴露して終わらせたことを旦那に伝えてあった。

 

 

「でも、ニャー子が2人にLINEを送って事実を暴露したことで、もう2人との関係は終わってる。明日の約束を黙っていることも出来たけど、もうウソは嫌だから話した。もちろん、行かない」

 

 

当たり前だ!

 

 

「自分から2人を切ることは出来なかったと思うから、ニャー子が無理やり終わらせてくれて良かった。ありがとう」

 

 

そこでお礼を言われても?

自分のケツくらい自分で拭いてほしい。なんで私があなたの浮気の尻ぬぐいをしなきゃならないのか!

 

しかも、もう、そこは言わなくてもよかったんじゃないか。この期に及んでまだ会おうとしていたなんて、そんなこと教えられても傷つくだけなのに。

 

なんか呆れてしまった。ほんと、旦那はどこかズレていると思う。でも、これが私の旦那だから仕方ない。こんな人を選んでしまった自分が悪い。

 

4月のホテルの事も聞いてみた。相手が予約してたもので、雨が降ったので荷物を置くために部屋を取ったと言っていた。泊りではなく、いわゆるデイユース。じゃあ、何で旦那が支払いをしたのか?

 

 

「うん、だからお金は半分もらったよ?」

 

 

いや、そんなことどうでもいい。行ったことが問題なんだから。部屋まで入っておいて「何もしていない」は、どこの世界でも通用しない。ワリカンとかホントどうでもいい。

 

というか、

 

むしろセコい。ペイペイで払うな。証拠を残すな。墓場までもってけ。

 

 

何をどう聞いたところで答えは「何もしていない」になるんだろう。絶対に「はい、やりました」なんて言わないから。

 

1時間後、友人から連絡がきた。預けた娘は友人宅で夕食をご馳走になって、お風呂まで入れてもらって、楽しく過ごしていたらしい。本当に、感謝しかない。

 

旦那と迎えに行くと、娘は満面の笑顔で抱きついてきた。やっぱり、不安だったのだろう。そんな時間までよその家で過ごしたことはなかったから。

 

 

「パパと仲直りしたの?ママはもう泣いてないね」

 

 

ベッドに入ると、娘はそう言って、あっという間に眠りに落ちた。

 

 

「心配かけて、ごめんね…。」

 

 

娘の寝顔を見ながら、心の底から申し訳なく思った。

 

あぁ、なんて長い一日なんだろう…。急激に色々なことが起こりすぎて、心も体も疲れ切っていた。