プロポーズの翌日に恋人が盗撮で捕まるという衝撃的な事件をきっかけに、「信じること、許すこと、愛すること」の意味を問いかける。
「恋とか愛とかやさしさなら」
著 一穂ミチ〈小学館〉
2024年 P236
カメラマンの新夏(ニカ)は啓久と交際5年。
東京駅でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。
この小説を読む前に、川上未映子のハードな「黄色い家」を読んでいたので、なんかこちらの小説は甘いな〜と思ったのですが、それでも時々ニュースで目にする盗撮という犯罪についての物語だったので、それはそれで興味深く読みました。
歴史小説など読むと、女性の地位はだだ低く、日本は長らく男社会だったのだと痛感します。
そんな時代からすれば、たかだか女性の下着を盗撮してしまったくらいで、なにもかも失う目にあっちゃうの?と思ってしまうのですが、今はそんな時代なのですね。
感慨深いのは、啓久が盗撮した女子高生は、スタイル抜群なのですが、振り向いたら残念な女子で、そのコンプレックスがハンパないこと。
彼女は将来整形すると断言しているけれど、盗撮された事は大した事ではないと言っているけれど
『盗撮された?こいつが?』
っていう目で見られる事が耐えられないと。
啓久に「死刑か去勢!」と言い切る彼女の思考回路は、女子としてかなり複雑でした。
彼女は、義理の父親から首から下を撮影されYouTubeの人気ファミリーとしてSNSにさらされていたのです。
現代社会を炙り出す、何とも言いがたい物語でした。






