歯科衛生士の内田佳代です。
よく質問を受けるのが「歯肉マッサージで歯肉の血流が良くなって、炎症等の状態が良くなりますか??」というもの。
なぜ歯肉が腫れるのか?
炎症のメカニズムはどうなっているのか?
など理解していれば、マッサージで炎症が改善しないことなども分かるかと思います。
では、歯肉マッサージを行うことで、歯肉になんらかの改善をもたらすか???
ですが、歯肉に刺激を与えたところで臨床的有益性が無いということが研究結果として出ております。
1DAYセミナーやスクールに通われた方には、再三お話している内容ですが、口腔内マッサージや歯肉マッサージを行うことで歯周病やカリエスなどに良い影響を及ぼすようなことはありません。
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当社のスクールでは、歯肉マッサージの目的としては以下の2つを挙げています。
1)唾液腺刺激による分泌の促進
唾液腺の付近を直接指で触ることや、口腔内の筋肉が動くことで、唾液腺が刺激され唾液量が増加する。口蓋腺以外の唾液腺は、全て筋肉に裏打ちされている。
2)リラクゼーション
歯肉を指の腹で奥から手前にユックリ触られることで、リラックス効果が期待できる。
歯科恐怖症の方や、口腔内を触れるのが苦手な方や過緊張が起こる方などに、歯科治療の前に取り組んでもらうよう勧めています。
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口腔内マッサージの目的としては、以下の3つを挙げています。
1)唾液腺刺激による分泌の促進
唾液腺の付近を直接指で触ることや、口腔内の筋肉が動くことで、唾液腺が刺激され唾液量が増加する。(口蓋腺以外の唾液腺は、全て筋肉に裏打ちされているため、)
2)顎関節症の疼痛緩和
顎関節症は、大きく4つに分かれる。関節円板や骨のトラブルの場合は、適応ではないが、筋肉のトラブルの場合は、マッサージを行うことで、疼痛緩和に繋がる(主に咬筋)。
3)リラクゼーション
筋肉を中から伸ばすことで、ストレッチ効果もあり、凝り固まった筋肉がほぐされ、リラックスできる。
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歯肉マッサージにしても、口腔内マッサージにしても「行う目的」をしっかり理解することが大切です。
歯周病に意味がないのに、口腔内のマッサージを行う必要があるのか???とか思わないように。(そういう考えの方もいらっしゃるようで)
患者さんは、ペリオかカリエスだけでしょうか???
口腔内の疾患は、2つだけではないですよね。
口腔内が乾燥して辛い方
顎が開けづらくて辛い方
ペリオやカリエス以外にも口の中のトラブルで来院する方がいるはずです。広い視野で、患者さんの健康をサポートできるようにしたいものです。
また、歯肉にツボがある!というネット記事を見つけて聞かれることもあります。
まず、ツボと表現しているものが、東洋医学の経穴のことなのか、リフレクソロジーの反射区なのかは分からないのですが…
体のツボの健康効果について、長い間議論されてきているので、科学的な根拠についてここで記載するのは控えておきます。
ただ現代の医学で、歯肉のツボ云々ということは立証されていない上、根拠もありませんので、当スクールでは取り扱いません。
セミナーやスクールでは、詳しくお伝えしておりますのでその時に。
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